獣使いのキリと弓使いのキリ
獣使いのキトと弓使いのキリ(伝説の剣 第3話登場)
キト(以下 兄)とキリ(以下 弟)は小さな田舎町に2人で住んでいた。
兄は、獣と意思疎通ができる体質であった。
弟は弓が上手く国の大会で優勝したこともあった。
2人はよく山に狩りに出かけていた。
兄の飼っている獣は「マグ」という狼に似た大きな獣だった。
マグは獲物を見つけると、弟の弓の射程距離内に追い詰めることができた。
2人と1匹は、獣を売って生計を立てていた。
ある日、獣の売り値がすごく下がった。
兄は、これでは生活ができないと言ったが、相手にされなかった。
この町では、政治が腐敗し始めていた。
この町では農業と狩りで生計を立てている者が多く、町の市場でしか販売が許可されていなかった。
町の長は都市への道を作ると言って安く生産者から仕入れたものを高く売りはじめた。
仕留めた獣を自分たちで食べることで食欲はみたされたが、日に日に、取り立てが厳しくなり、狩りも町が制限することになった。
兄は弟を守るため、マグを連れ賞金稼ぎになることに決めた。
始めは、弟が寝ている間に賞金首を捕まえて賞金を受け取っていたが、ある日弟に賞金首を軍に引き渡している所を弟に見られてしまった。
弟は兄と一緒に戦いたいといったが、兄は許可しなかった。
ある日、マグが賞金首から反撃され大きな怪我をしてしまった。
兄弟は、これまで一緒に戦ってきたマグをペットとして飼うことにした。
兄は金が溜まったら一緒に町を出ようといった。そして、最近、色々な町を荒らしているバンという盗賊を捕まえに行くといった。
数日しても兄は帰ってこなかった。
10日が過ぎた時、大量の金がキリに届けられた。
それは賞金稼ぎの保険金であった。
賞金稼ぎが消息不明になった時に賞金稼ぎ協会から振り込まれる金である。
兄は町を出ててから10日間、他の町にも現れていなかった。
それは、兄が生きていない事を暗示していた。
半年後、マグは兄の後を追うように衰弱し死んでしまった。
そのころ、町に異変が起こった。
圧政が終わったのである。
町の長は道路を作る金といいつつ自分の資産を貯めていたことが何者かによって暴かれたのである。
弟は兄が生きていればさぞ喜んだだろうと思ったが、バンを捕まえにいってから半年経っても兄は戻ってこなかった。
弟はバンに復讐をする決意をした。
町をでて、バンの情報を探しアジトを見つけることに成功した。
今夜、バンへの復讐劇が始まる。
伝説の剣 第3話に続く
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