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第一節はじまり

ZAAL~第一節はじまり~


県TOPリーグ第一節。


朝7時にZAALの体育館前に集合してバスで移動中に先発メンバーの発表がカナコからあった。

スターティングメンバーは、

ゴールキーパーはヤマト♯12

ディフェンス、リョウ♯2、ヒロキ♯3、タイキ♯4キャプテン、ツネ♯13

ミッドフィルダー、タイヨウ♯6、僕、ミズホ♯7、ジロー♯14

フォワード、ツバサ♯11、マサオ♯10、ケンジ♯9

ベンチスタートは、

タロー♯1、ユウヤ♯5、タカオ♯8

フォーメーションは4-3-3と簡単なものだった。

グラウンドに行くまでの40分の間にキャプテンのタイキ中心に話し合いが始まった。


「ディフェンスはセンターバックは不動の俺とヒロキな」

不動と言いながらも、自分たちが一番と思っていないところはチーム内でみんなが認識している。

「両サイドはリョウとツネだけど左右はどっちでもいいよ」

タイキも最近カツコみたいになってきたのは気のせいか?

「でも、ユウヤではなくツネが入るから上がり気味に行こうぜ。

その代わり、俺とヒロキはサイドのケアに入るからミズホは真ん中よろしく!」

へ~へ~わかりましたよキャプテン。


それを受けて「じゃあ、ミッドフィルダーは僕が下がり気味で、リョウとツネが上がり気味だから、タイヨウとジローは中を意識してね」と僕が言うとジローが「じゃあ僕が攻撃の基点になるね~」というとマサオが「ジローとタイヨウは自由に動いて。僕がミズホの前のスペースを埋めるから少し下がって攻撃の基点になる。その代わり、ツバサも僕のフォロー中心に考えて動いて欲しいな。ケンジは相手の最終ラインとの駆け引きをよろしく」

しっかりとジローくんを抑えて話しを進めている。


「ケンジがどれだけ相手の最終ラインを下げれるか、こちらのディフェンスはミズホが下がりきらないようにして高く保って、縦をコンパクトにしながら裏を狙う縦のボールを意識しよう」

タイキは本当にキャプテンらしくなった。まさか同じ年と思えないぐらいしっかりしている。


ここまでカツコは集合場所で「オハヨー」と挨拶の握手をしただけ。

口を挟んでこない。

不気味だ・・・。

カナコはニコニコと笑みを浮かべながら話しを聞いている。

そして「話しはまとまったか?」というと「タローは今日は出番ないかも知れないけれど、中学生のシュートスピードやシュートレンジをよく見て置くようにね。ユウヤとタカオはどのポジションでも出れるように対戦相手のフォーメーションと動きの穴を見ておくように。途中交代するからね」といったところで試合会場に着いた。


◆◆◆


サッカーは他のスポーツよりも自由だらしないと思われている期がするけれど、実際はルールブックにも大会規定にも身だしなみから振る舞いまで決まりごとが多いスポーツだ。

なんたって紳士の国発祥のスポーツだからね。


荷物をバスから降ろすとグラウンド入口に並び挨拶。

「よろしくおねがいしま~す」

いや、シャキッとしようよ・・・。紳士のスポーツなんだから・・・。

その後、大会本部~今回はグラウンドを提供してくれた中学の顧問、コーチ、部員がいるところに行き挨拶「よろしくおねがいしま~す」

だから、シャキッと・・・。

荷物を置く場所に向かうときすれ違う人全てに「うい~っす」

もう、挨拶しているからいいか・・・。

米搗きバッタのように頭を下げながら進む僕たちは各チームのコーチからの視線に気がつかなかった。


「カツコ先輩。やっぱり注目されていますね」

カナコがカツコに前を向きながら小声で話しかけると「そりゃそうだ。中学校は市内リーグから苦労して上がってくるのにZAALおれらはいきなり県だからね~

観ている関係者をびっくりさせるような試合が出来たらいいけど、ま、そんなあまくないだろうね~」

カツコとカナコが話しているのは僕たちは知らなかった。

そのときは何とかなると思っていた。


「じゃあ、1試合目だからグラウンドの隅で自分たちでアップ開始して」

準備している僕たちにカナコが声をかけて、本部席に向かった。

ほったらかしです。僕たち。

元々自分たちで動くのがZAALスタイル。


ボールを持つヤツ、マーカー、ビブスを持つヤツ、誰がと言うことなしにアップ場所を探して動き始める。


軽くストレッチしてからマーカーを置いてゆっくりとステップを踏み始める。

「丁寧に!」「速く!」「もっと速く!」「集中しよう!」とそれぞれが声を出しながら走る。

体が温まったときに自分の体を確かめるように再びストレッチ。


次はパスアンドゴーだ。

基本からはじめて、動きながらダイレクトに落とすものまで、カツコ直伝のダイレクトタッチのパスアンドゴーだ。

ボールに瞬時に関わっているのは4人なので2グループ7人となると、止まっているヤツはいない。次の動きのために走る。

動きのバリエーションは4種類ぐらいだけれど、どうやるのかを口で説明するのは未だに難しい・・・。


アップ開始から30分。ユニフォームチェックをしに行き、カツコの前に集合。


「あ~一戦目だな~

なんでお前らがここにいるのって思われないように気合入れていこうぜ~」

カツコが挨拶以外で始めて口をきいた。

でも、それもカツコスタイルだ。普段は面倒くさそうな口のきき方だけど的確な指示を出してくれる。

ただし、基本は選手たちに考えさせるスタイルだからもう気にしないことにする。


ベンチ前のサイドラインにスターティングメンバーが並び、最終チェックを受けて挨拶してピッチに入る。

対戦相手と挨拶するときにはついにはじまると実感がわいた・・・。


「俺らはZAAL!」

「「「お!」」」


ZAALの本当の闘いがはじまる。

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