次のステップへ・・・
ZAAL~次のステップへ・・・~
次の日は夏休み最終日だった。
夏休みはプールに行くでもない。
家族と旅行に行くでもない。
朝から晩までこの後ラウンドにいた。
ゲームをする時間もない。
コンビニの前で座って話しをするでもない。
文字通り、朝から晩までこのグラウンドでボールを蹴っていた。
最終日は、フットサルの負けを意識したのかみんなは黙々と練習をしていた。
「なんか、おもしろくね~な」
カツコ・・・。
「お前ら、サッカーやってて楽しいか?
必死にやって上手くなるのか?
教えてておもしろくね~よ」
いや、根本的に何を教えてくれているのですか??
「今日は午前で終わります。
昼ごはんを食べたら解散ね」
カナコも同じ考えのようだ。
◆◆◆
昼ごはんを食べて、バスに乗ってZAALの体育館に戻ってきた。
突然掘り出されたような気がするよ。
だって、夕方まで何したらいいの?
僕たちサッカーしか頭になかったよ・・・。
「えっと、ゲーセンは禁止な。
あと、道端で飲み食いもな。
ああ、店に子どもだけで入ったらダメだしな」
全面通行止め状態じゃん。
「「体育館で宿題の残りをするか・・・」」
「ボールでも蹴るか」
それぞれ、ぼそぼそとつぶやきながら解散。
「どうする?」
タイキがひそひそと話しかけてきた。
「スポーツセンターでハーレンフースバルをやっているんだ」
「「なにそれ?」」
反応したのは僕とヤマトとタローにツバサだった。
「5人制の壁ありのサッカー」
アウトオブプレイが少ない分、フットサルよりより激しいゲームらしい。
ドイツではじまった5人制の室内サッカーということだ。
「えっと、ユニフォーム、もしくはビブスが必要。
フットサルシューズ・・・スパイクはダメ。
参加資格は5人以上の中学生以上だって」
マサオくん。どこから沸いてくるの?
「ダメじゃん。中学生って」
「大丈夫じゃね?俺ら大きいし」
「「ミズホ小さい」」
「130センチ超えたよ!!」
そういう問題ではないと思うけれど。
「行くだけいってみようぜ」
まあ、飲食でもゲーセンでもないしね。
「ヤマトはサッカーしていいの?」
「手首だからキーパーじゃなければOK」
「マサオはダメだろう」
「保護者です」
誰が・・・といいかけて、チームで一番冷静沈着なマサオが着いてくるということでみんな何故か納得。
「ユニフォームも持っているし行ってみるか」
とタローの一言でスポーツセンターに向かった。
◆◆◆
ここは複合商業施設の中にあるスポーツセンター。
主催はスポーツメーカーで、参加賞から優勝賞品なんかすごいよさげだ。
受付でマサオがなにやら交渉している。
受付の人は首を振っているが、ひとり場違いのスーツ姿の男の人が近づいてきてなにやら話している。
「OK!参加できるよ」
「どうやって年ごまかしたんだ?」
「いや、普通になんで小学生はダメなんですか?って聞いてたら男の人が助け舟を出してくれて・・・」
正面突破かよ。
「参加費ひとり1,500円ね」
「「「高!!」」」
「交通費やもしものために2,000円だけは持っているでしょ?」
そう、僕らは離れたところで練習するので現金2,000円まで持つことを許されている。
「アイス食べた」
ダメだろう!ヤマト!!
「足りない分は僕が貸すよ」
マサオくんが神様に見える。実は僕もアイス食べた・・・。
「その代わり負けたら倍返しね」
悪徳金融業者以上だこいつ。
今回のイベントのルールは簡単。
オフサイドなし、バックパスOKで壁を使うのもOK。
3点差で終了もしくは10分で得点の多いほうが勝利。
23チームが既に参加していたが、後1チームというところに僕らが来たわけです。
4つのコートでトーナメント開始!
フットサルの負けから、初めの第一歩がこんな形で始まるとは思っても見なかった。
チーム名は“チームマサオ”
あのな、マサオ・・・。




