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振り出し
翌日、俺たちは昨日に引き続き王子の初恋の相手探しに努めた。
よく考えたら女子の髪型なんてその日の気分でどんな風にでもなってしまう。
ということは、昨日の部長情報は全く当てにならないものというわけで、捜査も振り出しに戻ってしまったというわけだ。せめて背格好や声、できれば顔を見ていればこんなことにはならなかったというのに。
まったく……つかえない部長だ。
そんな気持ちを胸に、今日も部室へと足を運ぶ。
いつもならためらいなく開けたドアも、何故か今日は開けてはならないパンドラの箱のように感じて、キィィっとそっとドアを開けてみたらそのまま中にぐいっとドアが引かれ、部室の中に転がり込むような形で入ることになってしまった。
どうしてこんなことになってしまったのか、そんなことはわかり切っている。
俺の頭上で仁王立ちしている彼女が原因だろう。
「よーっし!今日は、昨日のスクープを追うよー」
そう言って、拳を天に突き出しているのは、誰もが予想していたであろう人物、初瀬川部長だ。
ただ、今回ばかりは一言言わせて欲しい。
次話投稿は12月1日予定。