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初恋の相手


部長がワクワクしたことで、今まで俺に被害が及ばなかった事はない。よくわからない液体を持ってきては意味のわからない実験をして、俺の髪を燃やしたり、体に異常をきたすような悪臭を放ったり、全てを巻き添えにして爆発したり。他にも片手じゃ数えきれない、むしろ両手両足を使っても数えきれないほどには被害にあっている。


その被害をまた受けるのかと思うと、たとえそれが気になる話題だとしても気がのらないのが紛れもない事実に他ならない。今度はどんな災難が降りかかるのかと内心ビクビクしながら内容を聞いた。


「これからって……例えばなにをするんですか?」


「そりゃもちろん王子の恋の行方を応援するしかないでしょ!きっと八割方成功だろうけどさ」


恋の応援か。やっぱり女子っていうものは、恋の話、略して恋バナが好きなんだな。というかそれならば、俺には実害ないのでは?恋とかいう平和なことなら問題になりそうなことがおきるはずないにきまってる。


「それで部長。王子の初恋の相手って誰なんですか?」


そう、気になるところはそこだ。

あの王子のむねを射止めたのは誰かっていうこと。現ミスコンの鹿原まいか、はたまた新入生一番人気の見山かなこか、王子と並んでも見劣りしないような中村ゆいか……。まさか知らないとかいうはずないし、一体誰なのだろう。


「それがわかんないんだよね。王子のかげになっちゃっててあんまり見えなくてさ。とりあえず女の子だっていうのはわかったから、安心して」


見てないという事は、手がかりゼロという訳じゃないか。というかむしろ、女の子でない可能性もあったのか……。


それでもめげずに少しでも手がかりがなかったかたずねてみると、部長は、あ!と思い出したように声をあげ


「花!お花のついた髪飾りしてたよ!すごいかわいかった」


と、必要のない個人的な感想まで教えてくれた。とにもかくにも、花の髪飾りをつけた女の子を見つけ出せば、こちら側の勝利だ。


いや、勝負事ではないのだけれど、どうしてだかこう言った事を成し遂げると勝った気持ちになってしまう。自分だけがつかんでいるかもしれない誰かの秘密というものは、知っているだけで俺にとてつもない優越感を与えてしまうのだ。


というわけで、最初にしなくてはならない事はというと……


次話投稿は、11月7日!

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