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短編集  作者: 月鳴
3/4

いやに饒舌な。

ほぼ会話のみ。



「………地球環境の悪化ってのはさ」


それは唐突に始まった。


「え?」


「地球環境の悪化はさ、」

「う、うん」

「人間の"知りたい"っていう願望が招いたものだと思うんだよ」

「はぁ」

「知りたいとか、そういう感情があるのは人間だけじゃん。分らないから知りたい。分ったら使いたい。それは進化とも言う。でも、その進化は人類平等になされ、良い方向だけに向けば良かった。しかし、平等を保つためには資源と財源が必要になる。結果、地球が壊れていくんだ」

「うん」

「俺は思うんだ。人間っていうものは自身の知的好奇心を満たすためにはなんだってする生き物なんだって」

「そうかなぁ?」

「そうだよ。そうやって人間は不用意に世界を傷付けた。(さき)だってそうだろ?気になったことがあれば、調べたくなるはずだ」

「えー。そんなことないよ」

「じゃあ、なんでラクダにはこぶがあるんでしょうか」

「え!?何それ!」

「気になるだろ?」

「いや別に」

「おいっ」

「きっと必要だからあるんだよ」

「そりゃそうなんだけど…。なんで必要なのかって気にならないか?」

「さぁねぇ…考えてもわからないことはどうでもいいや」

「(やけに退廃的な思考だな…)…だったら、咲にはすっごい気になることとかないのかよ」

「うーん……あると言えばある」

「お、いい感じに気になるな」

「言わないよ」

「なっ何故!」


「……(いつも無口な(たく)が今日はどうしておしゃべりか、なんて)」



聞かなくてもわかるから。




「鈍感な拓には秘密だよ」

「なんだよそれー。俺、秘密とかかなり気になる質なのになぁ」

「ふふ。知ってる」



明日は元のあなたに戻ってね。





ーいやに饒舌なー





あなたを見ているのは少し辛い。





(あ、ねぇ。ラクダのこぶってなんであるの?)

(…やっぱ気になってんじゃん)

(うるさい)

(………ひみつ)

(え!)

(お返しだ)





END








「会話」という企画サイトさまへの参加物でした。

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