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勇者の系譜とやらに異世界転生した私ですが、そんな事など関係なくメイド喫茶で働いてます  作者: 秋月静流


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自分の持ち味を活かすみたいです

 切っ掛けは偶然でした。

 リーディング能力の鍛錬の為、無差別に識別を行っていた時です。


「あれ……?

 スキルに……?」


 自分をも読み取りデータ化出来るのがリーディングの凄い所です。

 ただし一日につき自分の年齢×回数分しか行えないという制約もあります。

 よって普段は自らを読み取る事は必要最低限しかしません。

 他の情報を読み取りスキル助長の為の糧とした方が有意義ですからね。

 けどその時の私は、忙しくて使う暇のなかったリーディングの回数制限を、

 ふと寝る前に使い切ってからにしようと思い立ちました。

 それで自分のデータを回覧してたのですが……

 体重と胸のサイズにがっかりしながらのんびりベット上で寛ぐ私。

 上記の通り、三重に読み取った脳内のスキル欄にノイズが奔り、


 <跳躍>(戦闘:運動)Aレベル ジャンプ熟練度99 専用効果<跳躍上昇>


 と書かれた下に、


 <スロット(2) 融合(可)>


 と表示されてるのに気付きました。

 スロット?

 融合?

 どういうことでしょうか?

 沈思黙考する私。

 おそらくこれはスキルの新たな可能性。

 曖昧だった私の戦闘流儀を後押しする最後の一押しになってくれる筈。

 スキル欄を幾度も幾度もリーディングし、考えます。

 そして回数を使い切り、どうにか可視化出来ないか思案した時、

 トレエンシア様から頂いた指輪が輝きを上げます。

 さらに驚く私に囁かれる心地良い少女の声。


(手伝ってあげる……)


 対話を終え、今は眠りについている筈のティアの声でした。

 途端、星色の符が中空に浮かび上がります。


「これは……?」

(スキルを可視化し、符状にして召喚したもの……

 ユナならこれを使いこなせる筈……頑張って……)

「あ、ティア!」


 呼び掛けも空しく、ティアは再び眠りについてしまうのでした。

 後には宙に浮かぶ符を眺め茫然とする私が残ります。

 トレエンシア様から頂いた指輪に宿った力は<召喚>に属するものらしいです。

 ティアを心の内から召び出せたのもそうですし、

 この符をスキル欄から召び出せたのもそうでしょう。

 ならばこの機会を有効に使わなくては。

 符を手に取り、弄繰り回す私。

 他のスキルも可視化出来ないか試すと、容易に行う事が出来ました。

 私が所持する無数のスキル。

 輝きを上げる符状態のそれらに囲まれながら私は考えます。

 大別すると、スキルの種類は3つにカテゴリーされます。


 即ち<日常><戦闘><専門>です。


 これはそのままの意味で、日常生活で使うもの(<料理><裁縫>など)。

 戦闘行為で使うもの(<戦術><回避>など)。

 専門制の高い技能のもの(<執事><薬師>など)です。

 その中でもスロット欄があるものないもの。

 更には融合(可)と(不可)と書かれたものがある事に気付きました。

 ここまでされれば頭の回転が鈍い私でも分かります。

 もしかしてスキルの融合が可能なのでは、と。

 更にスロットを有効活用すれば自分の望む様に編成・加工・統合することが出来るのでは、と。

 天啓のように閃いた後は実戦あるのみです。

 宙に浮かぶ符を取り試行錯誤します。

 やっぱりそうです。

 空きスロットのある符を手に取り重ねると、符同士が融合し一枚の札に変わっていきます。

 しかも互いの特徴を残したまま。

 これは思わぬ発見です!

 相手の状態に合わせたスキル編成を可能とする技能。

 器用貧乏になりがちな私に万能性をもたらしてくれるもの。

 上手くすれば文字通りの切り札となるでしょう。

 狂喜乱舞しながら作業に没頭します。

 そこで分かった規則は、


 同一のカテゴリーのものしか融合出来ない。

(戦闘系なら戦闘系とのみ。他の種別、日常系や専門系などとは不可)

 ベースとなるスキルのスロット数に融合数が作用される。

 専用効果は累積されるが、矛盾し合う効果は打ち消し合う。

 符化による可視化はいつでも可能だが、

 発動できるのは一日4回が限度(現時点では)。

 編成した符を意識下にストックすることが可能である。

 一度使ったスキルは次の日まで再利用する事が出来ない。


 などでした。

 多分もっと隠れた法則があると思います。  

 でも今分かっているのはこれだけ。

 ならこれらの判断材料を少しでも糧とする為、

 私は自らの新しい武器を磨くのでした。




 研鑽の結果はすぐに出ることになります。

 今の私では到底及ばないレベルである、S級冒険者であった父様と互角に以上に渡りあえた事。

 これは勿論同時発動していた<カレイドライオット>の効果もあります。

 けれど一番は<タロットインテグレート>で専用に編成・融合したスキルの恩寵が大きいです。

 相手の持ち味を潰し、自分の持ち味を活かす。

 戦闘では当たり前の行為を明確に活用できる。

 これがこの技能の利点であり真骨頂でしょう。

 圧縮し、加速された意識の片隅。

 そんな事を思考しながら私は駆けます。

 半身を失い弱体化してるエクダマート。

 技能に恵まれてる私とはいえ、彼我の戦力差は歴然。

 驚愕してる今の内に畳み込むしかありません。

 予め編成しておいたスキルを召び出します。

 エクダマートは火のエレメント同士が結びついた群体。

 生半可な攻撃は通用せず、すぐに復元してしまいます。

 言うなればその火の要素一つ一つがエクダマートであり、

 内包された世界そのものともいえます。

 ならば世界そのものを覆い、滅ぼせばいい。

 よって私が選ぶのは……

 宙に浮かぶ符を握り砕き、札へ。

 それを箒に付与し、闘気を込め振り抜きます。

 慌てて回避すしようとするエクダマートでしたが……


(遅いです!)


 箒より尾を引き立ち昇る煙。

 躱し切れず噴霧上の煙幕に巻かれたエクダマートから、

 絹を裂く様な絶叫が放たれたのでした。

    



 新規お気に入りと多めのアクセスありがとうございます。

 最後にユナが使ったスキルは何でしょう?

 戦闘パートももう少しで終了となります。

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