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新しい力の成果と感触みたいです

 村に惨劇をもたらした魔物。

 異形とでも呼ぶべき人でもない獣でもない奇怪で、

 更に光の屈折を利用し透明化を繰るその姿。

 炎の輝きと熱気に揺られ辛うじて見えるその姿を前方に捉えながら私が思ったのはつい先日の父様との稽古です。

 完全にではないものの、充分以上に父様と戦えた私。

 全ては新たに得たスキル<カレイドライオット>の恩寵です。

 実戦投入はこれが初になりますが、いつかは挑戦しなくてはならないこと。

 一抹の不安を抱きながら私は覚悟を決めます。

 迫るそいつら……

 便宜上<虚獣>を前に、私は慌てる事無くスキルを発動。

 瞬間、私を中心とし展開されていく意識の防御壁。

 顕識圏ケイジと名付けたそれは複合スキルの賜物。

 外敵を察知し、

 対処を判別し、

 有効な対抗手段を編成する。

 スキルを数多所持するだけでなく更にエンドレスグローリーで急成長できる私にとって、まさに多種多様なる可能性を引き出す事が出来る呼び水です。

 おまけに思考加速や身体能力向上も付属されます。

 具体的に記述するのなら、


 敵対数:従僕級妖魔五体。

 脅威度:B~BBクラス。

 属 性:火と風の複合体。

 対 応:抗炎物理防御、祓魔業式の二段階解放。

     耐性ならび障壁付与<火><風>

 顕 醒:退魔虹箒による焔系封滅業式の顕現。

     多重付与術式による抗醒闘衣の具象化。


 となります。

 これがどういうことかというと……

 顕識圏に虚獣が触れた瞬間、私の身体は発光します。

 刹那の間も無く私に付与されるのは輝きを上げる闘気の衣。

 今は火と風の属性障壁を纏っている為、赤と緑を基調とした色を放ってます。

 これが防御における私の対抗手段。

 抗醒闘衣です。

 相手の属性や武装に合わせ、最も適応したスキルを察知。

 今ですと<炎耐性><火属性親和><焔式吸収>などの防御系スキルが瞬時に検索され、且つ自動発動する防御用闘衣に織り込まれていくのです。

 風にひらめく闘衣は薄く軽いだけでなく恐ろしいほど頑丈です。

 専用に編成した結果、高密度の闘気の刃……<闘刃>を使う父様の攻撃すら防いでみせました。

 S級冒険者の太刀筋を数合も跳ね除ける脅威的な成果。

 しかし難点もあります。

 幾度も試行錯誤したのですが、大きく外見を変えれませんでした。

 これが何で問題かというと、どうしても見た目がヒラヒラの衣装を纏ってる様に見えるのです。

 それは私にあるキャラを連想させます。

 つまり……その、あれです。

 変身した魔法少女っぽいんです。

 外見的に幼い私ですが、これはちょっと……

 この闘衣を纏うのは常に羞恥心との我慢比べになります。

 周囲の皆には内緒ですよ?

 さてこれが防御の要である抗醒闘衣です。

 では攻撃は?

 答えはこれです。

 次々と鞭の様な剛腕を放つ虚獣達。

 回避系スキルも闘衣により付与された私はその兆候を事前把握。

 余裕を以て襲撃をいなすと、逆にこちらから間合いを詰め、両手に握ったものを振りかざします。

 それは虹色の煌めきを放つ箒。

 私の攻撃の要、退魔虹箒です。

 魔を封滅する内包業式の顕現とでもいうべきでしょうか。

 古来より箒は魔を「祓う」もの。

 特に穂先は属性封滅を秘めた虹色の光芒を放ち、鋭くそして柔軟にしなります。

 闇夜に半円を刻む鮮やかな軌跡。

 その輝きに触れた虚獣は霞の様に抵抗する事すら出来ず消え去っていきます。

 通常なら、物理防御に優れてそうな虚獣を相手取るのはかなりの手間だったでしょう。

 現に冒険者さん達が受け持ってくれてる一体には複数のメンバーでやっと対抗してる感じですし。

 しかし魔に属する以上、この退魔虹箒には並半端な防御は通用しません。

 私の御先祖様である<光明の勇者>が所持していた神担武具、聖剣を参照にしたその効果は祓魔。

 触れるだけで存在意義を根本から祓う術式演算を自動計算。

 悪しきものを退ける、絶大な退魔の力です。

 最もその為には、相手へ箒か穂先を触れさせる為の技術が必要ですが。

 でもまあ、メイドだけに箒の取り扱いは手慣れたものです。

 私は軽く箒を回転させその成果をと感触を確かめるます。

 万象なる多種多様性。

 脅威度Bクラスを苦も無く退ける能力。

 うん、上々ですね。

 改めて気を取り直すと、私は残存する敵の掃討に移るのでした。

 

 


 新規お気に入りと評価ありがとうございます。

 ついにお初見えしたカレイドライオット。

 ヒラヒラ衣装に魔法のステッキ。

 ユナの行末は〇法少女なんでしょうか?w

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