表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

399/403

勇者の系譜とやらに異世界転生しましたけど



「トレエンシア様……」

「久しいな、ユナ。

 壮健そう――とは言えまいな。

 相変わらず無茶をする」


 指輪の魔方陣から神々しいオーラを纏い顕現したトレエンシア様。

 秀麗な貌を痛まし気に顰めると私の頭を優しく撫でまわします。

 子を慈しむ慈母のような愛撫。

 あっ駄目です。

 止めようもない涙が目から零れ落ちます。


「すみません、トレエンシア様……

 私達も頑張ったんですけど、母様が……」

「何も言わんで良い。

 琺輪の守護者より既に粗方の詳細は伺っておる」

「ネムレスが?」

「そうじゃ。

 昨夜の内に――

 おそらくこういった可能性が考慮されるので助力を乞いたいと、な」


 弾かれた様にネムレスを見ると、私を安心させるように頷いてくれます。

 目の前の事しか見えていない――精一杯な私とは違い――

 守護者として鍛えたその慧眼は常に先を見据えているのでしょう。

 ネムレスに対する深い感謝と共に切ない想いが胸を焦がします。

 この件が終われば琺輪の下へ戻ると告げたネムレス。

 別離の時は近いのです。

 私の想いを置き去りしたまま。

 理性では納得はしてます。

 けど感情では納得できません。

 こんな……こんな自分をコントロール出来なくなるような私じゃないのに。

 でもだからこそ本当の恋なのかもしれません。

 自制できない自分。

 それが心奪われる、と言う事なのでしょうか?

 母様の事で焦燥をする自分とは別に自分勝手な想いに揺れる感傷的な私。

 そんな私の気持ちとは裏腹に、トレエンシア様は優雅に母様の前に跪きます。

 慌てて場所を譲る兄様達。

 やれる事はやったという自負があるのか、動向を窺っています。


「トレ……エンシア様?」

「久しぶりじゃな、マリーシャよ。

 やはり予言の通りになってしまったな」

「はい。

 でも結果に至る過程は――

 とても素晴らしいものでした」

「ならば覚悟は出来ておる、と?」

「ええ。お願いします」


 以心伝心で話される二人の会話。

 蚊帳の外に置かれた兄様達が思わず尋ねます。


「いったいどういう事なんだ、トレエンシア?」

「兄さんの言う通りです。

 可能ならば事情を聞かせてほしいです」

「それは、な――」

「ミスティ、それはお前の出生時に遡る」

「どういう事だ、父さん?」

「良いのか、カル?」

「ああ、ミスティもそろそろ知っておくべきだ。

 いいな、マリー?」

「ええ、あなた」

「それではまず――お前が産まれる前からの話なのだが――」


 父様の話を要約するとこのようになります。

 母胎に居た時より母様の周囲に集う不可視の精霊達。

 それは母様を害するのではなく母子を守るべきもの達でした。

 不思議な事もあるものだと推測し合う父様達でしたが、出産間近、突如父様達の下を訪れて来た賢者によりそれは確証に変わります。

 精霊王である聖霊の使いであるという賢者は言いました。

 母様の胎内にいるのは聖霊を統べる聖霊皇の寵愛を受けしもの。

 やがてはこの世界の趨勢を期するべき運命を担う。

 ただしその子を産むことにより、近い将来そなたは命を失うよりも恐ろしい定めとなる。

 その覚悟はあるか、と。

 母様は即答で承諾したそうです。

 子を産むのはいつだって誰だって命懸け。

 聖女である母様でしたが、母様はこの時点で既に母様だったのです。

 やがて迎える出産の時――

 初産を物ともせず安産で産まれたミスティ兄様。

 その時その場にいた者達は様々な精霊達の祝福の声を聞いたとの事。

 特に憔悴していた母様を癒してくれた聖霊がトレエンシア様でその後も幾度か交流を抱いたそうです。


「マリーシャの身に起きておるのは、

 過度な魂魄変化と高度の魔素汚染におる邪精霊化と呼ばれる現象じゃ。

 聖霊や闇魔術に深く関わったものにより出やすい症状。

 汝ら人族でいう所のクラスチェンジに近い。

 例えるならマリーシャにアダをなした闇魔術師が分かりやすいじゃろう」

「じゃあこのままでは――」

「命を落とすことはない。

 が――邪なるものとして世界に災いを為す存在と成り果てる」

「そんな――」

「まあそんな事はさせんがな。

 そこで提案じゃ、ノルン家の者達よ」

「えっ?」

「はい」

「ん?」

「なんだね?」

「マリーシャを我が眷属に加えて構わぬか?

 つまりドライアードへの転生じゃな。

 属性の定まらぬ今ならば介入はしやすい。

 そうなれば半幽体に近い存在ではあるも、仮想樹の実が宿る季節には触れ合える存在としてそなたらに会える。

 どうじゃ?」

「本当ですか!?」

「絶対安全なんだろうな?」

「他に手段がないならば、是非」

「……良かろう。お願いする」

「決まりじゃな。

 それで良いか? マリーシャよ」

「お願い――します。

 皆と再び会えるならば」

「うむ」

「……ちょっと待ってほしい」

「ん? なんじゃそなたは?

 ほう……その魂の色はユナと同質。

 するとそなたがティアかえ?」

「うん、そう。

 実は――ティアからも提案がある」

「うむ。述べるがいい」

「ティアも母様と共に在る事は可能?

 皆の下を離れる母様を――一人にはしたくない。

 ユナの下を離れるのは凄くつらいけど」

「良いのかえ?

 人としての喜びを喪ってしまうやもしれぬぞ?」

「構わない」

「……ふむ。

 覚悟はあるのじゃな。

 良かろう、未だ属性の定まらぬそなたならマリーシャ同様に眷属への転生も叶うじゃろう」

「いいの?」

「母を慕う心はそなたも一緒じゃろ?」

「本当に良いの、ティアちゃん?」

「うん、母様。

 ティアも母様の下で母様を支えたい」

「じゃあ……これからもよろしくね、ティアちゃん」

「うん!」

「さあ――話は纏まった様じゃな。

 そろそろ妾が顕現するのも限界じゃ。

 一時とはいえ別れをすませよ。

 新緑の季節に再び会える」

「分かりました。

 それじゃ――あなた。

 それに皆さん、本当にお世話になりました」

「ああ。

 待ってるよ、マリー」

「冷や冷やさせられたが――

 どうにかなったようでござるな」

「まったく。

 ホントあんたには驚かされるよ」

「同感じゃ。聖女から今度は精霊か?

 儂らのどんどん手の届かぬところへいくんじゃのう」


 苦笑しながらも大きな溜息をつく一同。

 その様子から昔の母様は今からは想像できない程お転婆だった事が窺います。

 そんな旧勇者パーティとは別に、無言でリューンを見詰めるティア。

 ああ、あれはやっぱりアレですね。


「じ~~~~~~~~~~~」

「な、なんだティア?」

「リューンにも来てほしい。

 ティアと一緒に」

「いや、気持ちは嬉しい。

 だが吾には幻獣としての責務が――」

「――寂しい。

 ティアもユナの一部。

 リューンが傍にいてくれると――心強い」

「……分かった。

 ずっとは難しいかもしれん。

 しかし――しばらくはティアの傍にいよう」

「やった☆」

「――押しが強いですね。

 いったどなたに似たのやら」

「ホントよねー

 さすが魂の双生児ってやつ?」

「うるさいですよ、外野の二人(銀狐・タマモ)!」


 いつの間に仲良くなったのか、顔見合わせ方を竦める二人。

 安堵した反動か、思わず激昂し突っ込みます。

 そんな私の様子をおかしそうに見守る母様。

 

「うふふ。

 二人とも貴女が心配なのよ。

 良かった、昔の貴女は笑顔で他人を拒絶してしまうようなそぶりが窺えたけど……

 ――もう、大丈夫みたい。

 良い人達に巡り合えたのね」

「母様……

 ええ、私は良い人たちに出会えたと思います」

「それじゃあしばらく留守にするけど……

 今度は長い別れじゃないわ。

 また会いましょう、ユナちゃん」

「はい母様!」

「シャスちゃんも」

「ええ、母さん。

 また会いましょう」

「ミスティも」

「苦労の掛かる母さんだな~

 安心していってきなよ。

 長兄として、これからも皆を俺が支えるからさ」

「ふふ、ありがとう。

 わたしの可愛い天使達さん。

 では――トレエンシア様」

「うむ。ティアと――リューンも良いか?」

「はい」

「仕方あるまい(嬉しそうな溜息)」

「では皆の衆、さらばじゃ!」

「さようなら――みんな!」

「また」

「しばしの別れだ」


 手を振り別れを告げる母様、ティア、リューン。

 トレエンシア様が宙に描く呪紋が爆発的な煌めきを輝かせ――

 次の瞬間、皆の姿は樹の精霊界へと送還されるのでした。


「行っちゃった……」

「しかし何ていうか」

「母さんらしいですよね」


 顔を見合わせ笑い合う私達。

 でも姿形は少し違えど、母様は生きて帰ってきます。

 幼い日に交わされた約束はこうして果たされたのでした。

 感慨に浸る私達。

 しかしそんな私に心底申し訳なさそうなネムレスの声が掛けられます。


「ユナ――」

「ネムレス、その姿は――!?」

「どうやら俺の方も時間らしい」


 ネムレスの足元に浮かぶ複雑な魔方陣。

 それはネムレスを足元から分解していき転移させる人には構成すら出来ない高度なシステムです。


「魔神皇を打ち倒せという琺輪の使命は無事遂行された。

 君には感謝しても仕切れない」

「いやです、そんな他人行儀な言葉――」

「しかし――」

「もう止められないんですよね?」

「残念なことにな」

「ならば一つだけ――我儘を言ってもいいですか?」

「なんだね?」

「待ってます。

 ネムレスの帰りを、ずっと」

「それは――」

「不可能を可能にするのが守護者ネムレス

 私はそう信じてますから――」

「……分かった。

 俺に出来るか分からんが善処しよう。

 それと――一つだけ確認しておきたいのだが?」

「何でしょう?」

「その努力に対する――

 報酬の前払いを頂きたい」

「っ――」


 意味を理解するより早く、優しく触れえる唇。

 思わず指で押さえた私はその行為に混乱、赤面します。


「えっ?

 ……えっ?

 えーっ!?」

「君のそういう顔は初めて見るな。

 待っていてくれ、ユナ。

 俺は約束した事は絶対に守る。

 我が誇りに誓って」

「ず、ずるいですよーネムレス。

 そう言われたら、何も言えないじゃないですか……」

「否定はすまい」

「う~もう。

 なら――

 約束ですよ、私とネムレスとの」

「ああ、約束だ。

 俺と君との。

 だから待っていてくれ、ユナ。

 誓いは――必ず果たす」

「はい」

「ではさらばだ。

 そして最後に――」

「え?」

「誕生日おめでとう、ユナ。

 君の今までとこれからに心より祝福を」


 芝居掛かった台詞と共に掻き消えるネムレス。

 琺輪の下へ無事転送されたのでしょう。

 ホントに、もう。

 最後の最後までしょうがない人ですね。

 暴れ狂う父様や、やんややんやと囃し立てる兄様達やタマモ達を横目に――

 私は大好きな人達に囲まれ迎えることができた、

 最高の誕生日という幸せを噛み締めるのでした。





















             ~幕間<アントラクト>~


















「ぐはっ……ごほっ」


 星幽界より現実世界に顕現しざま、荒い息を吐き出す魔神皇。

 今思い返してみても紙一重であった。

 実体を囮とした偽装。

 可能性は限りなく低かったが、どうにか上手くいったらしい。

 高位階から繰り出されるユナの衝撃は致死域を軽く超えた。

 存在そのものを消滅する御業に対し、ありとあらゆる防御を突破されたのだ。

 弱体化したとはいえ、こうして予備の身体に蘇生出来たのは奇跡に近い。

 同様の技能はエクダマートも使用していたが、魂魄そのものを消失してしまってはただの抜け殻と成り果てる。


「まさかあんな手を隠していたとは……

 レベルの召喚? だと。

 常軌を逸しているにも程がある。

 いや……違うな。

 這い寄る混沌が関わっていた以上、警戒を怠った我が愚かであったか」


 深い悔恨と共に噴き出る不快な汗。

 希薄になった筈の情動が駆り立てられ滲んで歪む視界。

 こうした後悔をいったい幾度迎えたのだろう。

 自分はまたも全てを喪った。

 異世界へ転生する時にも――

 虐げられし世界の実情を知った時にも――

 勇者と矛を交えた時にも――


「――すまない、みんな。

 僕はまた――選択を誤ってしまった……」

「ふ~ん。

 また失敗をされたのですね?」


 背後から掛けられたその女の声に戦慄する。

 ここは世界蛇の構成員すら知らぬ秘密の隠れ家。

 誰もこの場所を知らない。

 さらにここは地下数百メートルにある孤立した玄室。

 転移系のスキルを使わねば訪れる事すら叶わない。

 そして何より――

 その声の持ち主とは――


「アネット……どうして貴様が」

「ここにいる、とかお決まりの台詞やめて頂けます?

 貴方の格だけじゃなく――

 相手をしているわたくしの格まで落ちてしまいますので」


 この場に不釣り合いなメイド服を纏った女性。

 淡い紫のショートボブに鍛え込まれた肢体。

 眼鼻は整ってるのに、慇懃無礼とも取れる無表情。

 一線を画する尋常ではない雰囲気。

 跪く魔神皇を睥睨する視線はどこまでも冷たい

 それはセバスに刺され王都の診療所で療養中に姿を消したアネットだった。


「情けない。

 貴方の力を見込んだ結果がこれですか。

 魔方陣は崩壊し、組織幹部は全滅。

 貴方すら息も絶え絶えに逃げ出すのがやっと。

 残念ですが想定以下、ですね」

「ふざけるな!

 貴様らの――貴様らの望む駒に成り果ててたまるか!

 この世界は貴様等の玩具ではない!」


 言霊使いたる魔神皇の力の一片。

 現実世界を凌駕する言葉の力が解き放たれ――

 結果、霧散する。

 あまりにもあり得ない行為により。


「馬鹿な……

 貴様、その力は――」

「成功したのですよ。

 物語世界の構成を紐解く事に」

「それは触れてはならない禁忌だ!

 どこまで人を――

 世界を嘲笑う気だ!」


 再度放たれる言霊。

 それはアネットを四方から包むこみ圧縮炎上させる。


「だから無駄です」


 対するアネットの声はどこまでも冷たい。

 分かり切った式を理解できない生徒を見る教師の様に。

 同系の資質を持つ魔神皇は『視た』。

 干渉された世界に起きた実情――


<アネットを四方から包むこみ『圧縮炎上』させる>


 という結果が、


<アネットを四方から包むこみ『心身高揚』させる>


 へと書き換えられたのを。

 驚愕に魔神王は声を喪う。

 防ぐや無効化ではない。

 世界に起こる事象そのもの。

 それに干渉し、別のものへと文字通り書き換えられてしまったのだ。


「今はまだ四文字……

 一行にも満たない断片。

 しかしわたくしの力<マルクパージュ>はまだまだ成長していく」


 無表情を一変、恍惚とした表情を浮かべるアネット。

 先程書き換えた内容通りに高揚しているのだろう。

 彼女の持つ固有能力<マルクパージュ>。

 事象の干渉ではない。

 事象の改竄というそれは――

 神々ですら扱えぬ禁断の領域に根差すもの。

 意識領域の及ぶ限り、彼女を害する事は叶わないのだ。


「それほどの力を持ちながら――

 いったい何をするつもりだ?」

「あら、貴方も充分理解していたのではないですか?」

「悍ましき貴様等と手は結んでも、心まで売り渡した気はない!」

「はあ。

 そうですか。

 まあ貴方の欠けた穴は他の方に補って頂くので御心配召されず。

 大体何ですか、六魔将とは。

 あんな貧相なものに仰々しい名称を。

 わたくし達に対する当てつけですか?」

「そうだ、貴様ら世界を踏み躙る<六界将>ども。

 貴様達の好きには――待て」

「はい?」

「今――何と言った?」

「貴方の後釜が見つかったと告げたのですよ?

 お待たせしました、どうぞ」

「ああ」


 呼び掛けと同時、空間に奔る雷光。

 次の瞬間――そこには彼がいた。

 雄々しくも凛々しい威光を放つ者。

 <雷帝>こと先代勇者イズナが。


「馬鹿な……

 貴様ほどの者が何故……」

「以前から誘いは受けていた。

 ただ踏ん切りがつかなかっただけだ。

 しかしお前の失敗を見て確信したよ。

 世界は改革を求めている――と」

「やめろ!

 我の様な――僕の様な道化は一人で沢山だ!

 貴様は誤ってはならない!」

「うるさいですよ、貴方。

 残念ですが知り過ぎた貴方はもう用済みです。

 ――消えて頂けますか?」

「まっ――」


 憐れみさえ込めたアネットの言葉。

 再び発動する<マルクパージュ>の絶技。

 無慈悲なその力の前に抵抗する間もなく消滅させられる魔神皇――環透。

 世を震撼させた組織<世界蛇>総帥の――

 余りにも呆気ない、これが最後だった。


「終わったか?」

「ええ」


 魔神皇を消し去ったというのに――

 つまらない雑事を終えたかのように感慨もない二人。

 今の二人――

 いや、<六界将>と呼称される者達にとってはその通りなのだろう。

 人の命や物の価値など、遍く全てが等価値――

 意味がない、と。


「これからどうするんですの?」

「異空間に引き摺り込まれたのはあのユナが証明してくれるだろう。

 ならば消息不明が一番だ。

 姿を消し、動く」

「わたくしとしては――

 先代勇者として各国の切り崩しをお願いしたいのですけど――」

「王都や主要各国は難しいな。

 貴女は甘く見ているが――厄介なスキルを持つ者は多い。

 事の拍子に露呈したら却って面倒だ」

「そうなのですか?

 まったく――人の世界は複雑怪奇ですわね」

「早く慣れる事だ。

 まあ――

 そんなに長くは続くかないだろうが、な」

「同感、ですわ」


 おかしさを堪える様に口元に当てた指を優雅に振るアネット。

 すると遠見の水晶球のように空間へ投影される景色。

 そこは魔神皇との決戦に勝利し、湧き立つ者達がいた。


「今は仮初めの虚実に溺れなさいな、可哀想な仔羊達。

 我ら新生なる世界<ラグナスフィア>による魂の救済――

 忌まわしき琺輪の頸木を断ち切り、

 世界が真の変革を迎える、その日まで」


 憐憫さえこめて――

 虚飾の魔女と雷光の勇者は薄く嗤い合うのだった。


 

 

 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ