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それはまるで隠蔽者みたいです

 心身共に一息ついた私達は洞窟の奥へと進みます。

 武装の確認と共に必要のない装備を一端外し、軽装に。

 狭い洞窟でも問題なく動ける様に調整します。

 こういう時、武装が具現化系である自分は楽ですね。

 サムライ職であるソウジやカエデさんは刀の手入れ、兄様も愛用の弓の弦を張り直すなど大変そうでしたから。

 薄暗い内部ですが時折埋め込まれた水晶が発光し視界は悪くありません。

 さらに人の手が加えられたのか足場はある程度は整ってます。

 なだらかな坂となってる斜面を転倒に気をつけ下降していく。

 今まで死ぬ気で昇って来たのに今度はのんびり下るのは変な感じです。

 幸いな事にこの内部は温度は一定に保たれ妖魔の気配もありません。

 道中大きなトラブルはなく探索出来そうですね。

 そうして一時間も歩いたでしょうか。


「ここは……」

「ほお……こうなってるのか」


 山の中腹にあたるのでしょうか?

 岩石が剥き出しになった大空洞に突き当たります。

 アラクネの本部にも似てますがここはもっと原始的。

 よくファンタジー系でドラゴンがいるとこっぽいです。

 っていうか亀裂から下を覗けば遥か下降には蠢く赤黒いモノが。

 あれってば絶対溶岩ですよ(こわっ)。


「どうやら無事に着いたようだね」

「拙者もこの中に入ったのは初めてでござる」

「あたしもだよ。

 こんなとこ罰当たりでさすがにそうそう来れない。

 でも見てごらん。

 どうやらここが目的地で間違いなさそうだね」

 

 苦笑し、前方を指し示すカエデさん。

 岩石が積み重なった祭壇の様な台座。

 そこにはこちらに背を向け瞑想する一人の男性――


「父様!」

 

 認識するより早く私は駆け出してました。

 それはシャス兄様も同じです。

 あの姿を私達が見間違う筈がないからです。


(生きてた!

 無事でいてくれた!)


 普段は隠している歓喜が心を覆っていきます。

 素直になれなくてごめんなさい。

 でも父様が無事でいてくれて――


(――え?

 でもファル姉様は――?)


 閃光の様に脳裏を奔る疑問。

 同時でした。

 祭壇に駆け寄った私と兄様が何かに弾かれるのと、一人の女性が姿を現すのは。


「困りますわ、ユナ様にシャス様。

 今はカル様にとって大事な時なのですから。

 どうかそっとしておいてくださいませ」

「ファル姉様!」

「ファルさん!」


 台座の影からゆっくりと姿を見せたのは――

 いつもと変わらぬ穏やかな笑みを浮かべた、

 この雪山では空恐ろしい程の違和感しか感じないメイド服を着た女性。

 消息を気にし、再会を心から望んでいた――ファルリア姉様その人に間違いありませんでした。  




 過疎化してるこっちの方もお気に入りしてくださりありがとうございます。

 ここからはどんどんクライマックスへ詰めていきますので応援宜しくです。

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