襲来となる、みぞうなりし魔群っぽいです
「湾岸地区に新たな妖魔群の発生を確認!
数は推定70。
脅威度B~B+。
配置された<獅子の咆哮>が対処に当たってます!」
「旧市街地でも妖魔群の同時発生を確認!
数は……に、200!?
脅威度A以上!
配置された3つのチームから救援要請です!」
王都冒険者組合本部に置かれた緊急事態対策本部。
組合の受付嬢達が臨時のオペレーターを務める、
普段は会議室などに使われてるであろう大部屋に仮設置された司令室。
通信用魔導具から聞こえてくる目覚ましく行き交う情報の群れに耳を澄ませながら、私は卓上に置かれた戦力配置図へと冷静に目を凝らします。
宣誓後、私はアラクネにも独自に対策室を設営。
戦力分析を行えるスタッフと共に指揮を振るうと共に、組合の対策本部とリンクさせる為、今回の依頼人件スポンサーである銀狐を組合に急行させました。
事態の脅威を再度訴えると共に、組合最大対処である特例招集の発動を要請する為です。
最初は半信半疑だった組合長も、銀狐の示す数々の物証の前に態度を一変。
膨大な数の王都冒険者の中から連絡のつく熟練者パーティへすぐさま連絡。
アラクネの提供した連絡魔導具等を支給すると共に、現場へ赴かせたのでした。
その対応は最悪な形で報いられます。
就寝を告げる鐘の音と共に現れた妖魔の群れ。
如何なる手段で持ち込まれたのか。
どれほどの数が出現したのか。
混乱と怒号が飛び交う現状では推測出来ません。
ただ確実に理解出来るのはこれが人為的なものによるもの。
そう、間違いなく世界蛇<ミズガルズオルム>によるテロであろうということ。
苦々しい思いを噛み締めながら私は実感します。
しかし危ない所でした。
銀狐の迅速な判断と指示が無ければ完全に対処が出遅れてたでしょう。
幾ら武力に秀でた軍や冒険者を内包する王都とはいえ、奇襲の前には無力。
統制された指揮が無ければ個々の連携が図れず集団としての本領を発揮できないからです。
もし今回の要請が遅れてた場合、まず間違いなく市民に犠牲が出たでしょう。
それも経験した事もない未曾有の。
予想されうる被害者の数を考慮しただけで身震いがしそうです。
雑念を払う様に頭を振った私は、集団指揮スキルを活用する為、優秀なスタッフと共に現状の把握に努め直します。
現在はどうにか均衡してるようでした。
死力を尽くし、皆は懸命に戦線を支えてくれています。
無論、中には妖魔群の勢いに押されそうになるパーティ、押さえきれず担当地区から溢れ出そうに妖魔群も見られるも、後詰として残したアラクネ対策班が急行。
何とか対処出来ている様です。
「このまま上手くいってくれれば……」
スタッフの誰かが祈りを込めて呟いたその時――
「新たなる妖魔の発生を確認!
……いえ、違います。
現地からの救援内容を分析するに……
これは暗号呼称<6魔将>と判明!
抵抗拠点が次々と沈黙してます!!」
「何だと!?」
「おい、何だアレは!?」
「夜空に浮かんでるアレはいったい!?」
各拠点から上がる報告に悲鳴を上げるオペレーター達と、水晶球に映し出される王都上空に浮かび上がる巨大な人影を見た者達の驚愕が共鳴するのでした。
書き足しです。




