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支え合い共に歩む幸せのようです

 タマモという存在の新しき姿を願え。

 御霊遷しの秘儀の中、リューンに諭された私。

 咄嗟に思い浮かんだのは小さな女の子でした。

 何故なら兄様は既にミスティ兄様とシャス兄様がいますし、

 姉様はファル姉様がいます(シャス姉様は特殊な趣味を持つ方限定です)。

 更に弟分としてはルシウス様が魅力全開(全壊?)する程いらっしゃいますし。

 となると、私のハーレム……(こほん)

 もとい身近な家族構成に『妹』という存在がいない事に気付きます。

 妹……

 それは天上の甘露の様に蠱惑に満ちた福音……


 甘え上手で少し小悪魔系な妹(キラン♪)

 内気で口下手なのに身内にはちょっと勝気な妹(シャラン♪)

 天真爛漫で無邪気な魅力に溢れた妹(ズキューン♪)


「おねーちゃん、朝だよ?

 お・き・て(チュッ)」

「姉上は……しっかりしないと駄目だと思う。

 最近構ってくれないし(ツン)」

「あはははははは♯

 姉貴、早く次に行こう!(グイ)」


 右を向いても左を向いても、

 妹、

 妹、

 妹達の楽園。

 それはまさにIMOUTO☆パラダイス。

 昏くてハシタナイ愉悦に涎が止まりません!(じゅる)

 ……そこまで思考が突き抜けた際、

 こわ~い顔をした脳内家族に全力でツッコミを喰らいました(あう)。

 と、とまあ……イタイ妄想は程々にして、と。

 先程も述べた通り、新生されるタマモの姿を願ったのは自分より年下な女の子でした。

 華奢で儚げでありながら従順そうな妹存在。

 そんな存在と私は姉妹になりたい。


「……と思ってしまったんです」

「ユナ、君は何と云うか……」

「うむ」

「予想はしてたけど……」

「我が娘ながら……」

「お主の娘の抱える闇は深いのぅ」


 上記の事をぼかして話した瞬間、一斉に溜息をつく皆さん。

 私はそんなにイケナイ娘でしょうか?


『ホレ見ろ!

 吾の疑いは濡れ衣だったではないか!

 早く吾を解放せよ!!』


 その傍らには魔術で拘束され床に横たわり、息も絶え絶えなリューンがいます。

 皆(特に父様)の武具が死刑執行を執り行う寸前で止められてました。


「疑わしきも罰する。

 ……特に未成年者に対する邪な情念を持つ者は」

『何だその理不尽さは!

 守護者としての矜持はどうしたのだ!?

 さ、裁判を……公平な裁きを欲求する!!』

「フフフ……今宵の愛刀は血に飢えてる……

 我が刀の錆にしてくれよう」

『マテ! 冗談なのだな?

 頼むからそんな素敵な笑顔で吾に近付くな!!』


 騒々しいやり取りを続けるネムレス達を放って私は未だ当惑気味のタマモの前に跪きます。

 そしてにっこり笑うとその小さな手を取ります。

 驚いた様に私を見詰めるタマモ。

 私も目線を逸らさず見返します。


「色々ありましたけど……

 貴女さえ良ければこれからは共に生きませんか?」

「ユナ……そなたは……」

「過去に縛られない新しい人生。

 私が約束します。

 もっと幸せになりましょう。 

 貴女は貴女らしく、凜と朗らかに。

 誰よりも何よりも貴女の幸せを願ったあの人に報いる為に」

「……妾は良いのだろうか? 幸せになっても

 数々の罪科を背負った妾にはそんな資格はないのではないだろうか……」

「いいえ、それは間違いです」

「間違い?」

「はい。

 いいんですよ、幸せになっても。

 どんなに罪深い存在だって幸せになる権利はあるんです。

 罪は贖え。

 咎は償え。

 私の先祖が愛した人もやはり返し切れない罪を背負った人だと聞きました。

 でも共に歩むことで確かに幸せになったんです。

 孤独は死に至る精神の病。

 何でも一人で背負い込む事はないんです。

 半分とはいいません。

 貴女が望む範囲、少しでも私にも枷を預けて下さい」

「ユナ……」

「あ、でも設定は私が姉という事にして下さいね?

 その方が萌えるんで(てへ☆)」

「まったく(笑)

 感動の場面が台無しではないか」

「えへへ」

「まあそんな道化を演じなくとも妾の決断は変わらないのだがな」

「え? それってまさか……」

「うむ……ではないな。

 うん★ これからもよろしくね、おねーちゃん★」


 悪ノリしたのか、悪戯な微笑を浮かべたタマモが抱きついてきます。

 慌てて抱き返す私。

 だけど私は見ましたからね。

 抱きつく直前、タマモの目元に微かに涙が浮かんでいたのを。

 やっと少しだけ素直になれたのでしょう。

 けど遣り切れない想いを抱いてるのも確か。

 ならば……


(これからは私と……皆が貴女を支えますからね)


 精一杯の慈愛を込め、私は極上の絹に様にサラサラとした感触がするタマモの髪を撫でるのでした。




















「ところでこいつを見てくれ……

 どう思う?(カチャッ)」

『凄く……鋭いです。

 って! そのやり取りは以前にもやっておるだろうが!!

 今の吾には再生力がないと言っておる……うわやめなにを』

「この世界に、ロリの栄えた試しなし」

『あっあっあっ……

 ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』


 ……人が感動劇をしてる間も、まだやってたんですね(嘆息)。

 ユナ、妄想を現実へ浸食する、でしたw

 実際の妹はこんな妄想に出てくるもんじゃないですよね。

 次の更新で今年最後、そして第三部最後になります。

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