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絶対大丈夫というおまじないのようです

 私が精霊界より帰還してドタバタと色々ありましたが、

 今は何より時間が大事です。

 こうしてる間も父様達がどのような目に遭ってるか不明ですから。

 不思議と既に死んでいるという可能性は想像出来ませんでした。

 あの父様が死ぬという事態が想定できない事もありますが……

 親子、だからでしょうか?

 何か視えない絆のようなもので繋がってるからです。

 多分兄様に確認したら同じ事を言うと思いますが、もし仮に父様を含む家族が死んだりしたらすぐに察知してしまうのでしょう。

 感傷を振り切り再度ジャランさんに礼を告げると、私は家の中に駆け込みます。

 薄絹の様なドレスを手早く脱ぐと(露出が多いし……もしかして結構恥ずかしい恰好でした?)、早速お借りした革鎧を着込みます。

 全身を覆うタイプの様ですが、伸縮自在なので問題なく装備出来そうです。

 苦心する事もなく着込んだ瞬間、私は驚愕します。


「これって……」


 溢れかえる火のエレメント。

 内側より漲る活力は、身体を二段階は活性化していきます。

 私はすかさずリーディングを施行。

 歴代の装備者の技術と経験と共に、この竜鱗の革鎧のスペックが推し量れます。


<紅帝の竜骸>


 レア度:S

 強 度:ミスリルクラス(火の要素があれば更に増加)

 属 性:火・風・竜

 特 性:常時身体強化・状態回復・バットステータス抵抗

     生命力を使用した……???

 編成度:2(上限値10まで付与可能)


 軽く読み取っただけでこれです。

 今現在の時点では決して最高峰の防具ではありません。

 ですがその内に秘めたる力は流石古代竜を基にしてるだけに半端じゃないくらいありそうです。

 加工次第で伝説級まで化けるんじゃないでしょうか?

 これを最適化し、属性を強化していけば……

 って、おおっと。

 いけないいけない。

 つい鎧の潜在力に魅せられてしまいました。

 今は時間が一番大事なのに。

 私は苦笑し自分の頭を小突きます。

 てへぺろ。

 うん。皆のお蔭で笑えるくらいの精神的な余裕はありそうですね。

 軽度のプレッシャーはパフォーマンスの糧となりますが、

 極度の精神的抑圧は通常(当たり前)の動きを阻害します。

 そういう意味でもガス抜きをしてくれた皆には感謝が絶えません。

 私は鏡の前で最終的な装備状態を確認。

 全身を駆け抜ける活力を強引に宥めながら、手早く髪を結いポニーテールにしてゆきます。

 いつもはツインテールにしていることが多いので、我ながら変な感じです。

 考える内に不安そうに翳を落とす鏡の中の少女。

 鏡に向かい私はもう一度微笑むと、おまじないを呟きます。


「絶対……絶対大丈夫だよ(にっこり)」


 小さい頃再放送で見たヒロインの決め台詞。

 劇的な効果がある訳ではありませんが、不思議と心が落ち着きます。

 顔色はまだよくありませんが、少女はやっとマシな表情になりました。

 よ~~~~~~~し!!

 マインドセットを含め、各種準備は整いました。

 あとは行くのみです!

 渡された迷宮探索用の品々を身体に括り付け、厚底の防水ブーツを履きながら、

 私は父様達の奪還を誓うのでした。

 



 多めのアクセスありがとうございます。

 次回から迷宮突入編です。

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