仮面の用心棒または…
久しぶりの投稿
時間がかかってしまいました
許緒side
あの人と会ったのは一年前でした
その日の朝、私は流琉と喧嘩をしていました
理由はなんだったのかは思い出せないけど、とるに足らないことだったと思います
「季衣のわからず屋〜」
「流琉のほうこそわからず屋〜」
私達は辺りを気にしないで武器を使って喧嘩をしていました
ガキーン
互いに投げた武器が衝突して跳ね返った
「あ!」
その向かった先は村長さんの家の壁です
あわてて戻そうとしても遅すぎました
ドカンという音と共に壁に穴が空きました
さすがに喧嘩をしている場合ではなくなったので流琉に
「どうしよう、村長さんの家にぶつけちゃった」
「急いで謝りに行こう」
「そうだね」
私達は村長さんの家の前に着いたとき、一人出てきました
「あっ、村長さん
ごめんな…」
出てきたのは村長さんではなく、怖いお面を着けた人でした
確か、今村に来ている商人さんの護衛の人です
「…あれで壁をぶち抜いたのはお前らか?」
指で示すのはもちろん私達がさっきまで持っていた武器です
「ごめんなさい
私達がやりました
あの…村長さんは無事ですか?」
「村長と俺の雇い主は気絶はしているが無事だ
…俺に当たったからな、久しぶりにいいのをもらったぞ」
「えっ!大丈夫ですか?」
「問題ない、体が丈夫だからな
でだ、こんなことをした理由を教えてもらおうか?」喧嘩をしていたことを伝えると
「そうか、そんなに元気が余っているなら壁を直せ
やり方は教える」
と一刻かけて壁の修復をやりました
その後、「まだまだ元気は余っているな
なら、喧嘩が当分嫌になるまで鍛えてやる」
と決めつけて、わざわざ広いところで私達に武器を渡して自分は素手で私達を襲ってきました
最初は私達よりも強い人なんていないと思っていたので手加減しようとおもっていました
しかしそれはすぐに覆されました
簡単に近づいて来て、目の前で拳や足を止められる
本気で放った私達の攻撃が素手で逸らされる
しまいには、私の鉄球を掴んで投げつけてきました
それを体力がなくなって気絶するまでやらされました
それなのに気絶する直前にみたあの人は息を乱さずに立っていました
次の日、私達は自分達の家で全身に力が入らない状態で目が覚めました
この後「あれはいくらなんでもやり過ぎた
怒りに我を忘れた
すまなかった」と謝りに来たあの人を見たら震えが止まりませんでした
後から村長さんから聞いた話によるとあの人は商人さん達からは「仮面の用心棒」、悪い人達からは「悪鬼」と呼ばれていて恐れられているそうです
あれからあの人はお詫びといって村の皆さんに色々な物を持ってきてきます
…ですが私達はあの日のことを思い出して怖くなって逃げてしまいます
私達を手加減して倒せて何を考えているのか
わからないからです
…だから
「大丈夫か、助けに来たぞ
って、待て、おい」
全身に血を浴びた状態のこの人を見て逃げてもいいですよね
…たぶん
side out