始まり
サクッ、サクッ、サクッ、サクッ
俺は今、農作業をしている
もう四年も続けているからなのか、田畑もようやく実りに期待を持てるようになった
ただ、時々思うことがある
例えば中学時代の俺がこの状況を見たら何を思うだろう
唖然、愕然のようなことになるか、この現実について逃避するか、のどちらかだとは思うけどな
…なんせ、俺は中国の後漢の時代に今いるんだからな
といっても来た理由も方法も不明
なにせ高校の入学式の当日?に起きたら周りに何もない草原にいる状況だった
いろいろわからない状況だったが時間が経つにつれ、わかってきた事がいくつもあった
まず1つ目が前述の通りここが後漢末期の頃にいるということ
ただし俺が知っている世界とは違うらしい
例えば俺が知っている有名人が女性だったり、時代的に無い物(眼鏡とか)があったりする
それと真名という文化だ
これは姓、名、字以外にもある特別な物だ
なにせ許可なく使うと斬られても文句を言えないという危険な物だ
これらのことから俺はここを異世界だと思うことにした
二つ目は俺の身体能力がかなり上がったことだ
特に分かりやすいのが力で、軽い気持ちで殴った木が抉れた
これがわかった後、元の世界に帰る方法を一年かけて調べて…そして挫折した
帰ることを諦めた俺は元の名前を捨てて洛陽近くの森に家、田畑を作って暮らすことにした
そして四年が過ぎて、ようやく農作業だけで食べられ
るようになってきた頃にそれは親友の口から始まった
三国志の始まりともいえる黄巾の乱である
…そして俺は少しずつ乱世に引きずり込まれていくことになった
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