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だじゃれブーム

作者: うさみか

娘が今年の春から、幼稚園に通うことになった。私は母親として、少し不安だったがすぐに慣れて、友達もできて、娘は楽しいと言っているので私の不安はなくなった。


そして、今、娘と友達の中ではあることがブームになっているという。


それは「だじゃれ」らしい。


私は、だじゃれってそんなにおもしろいのかとふと思っていたら、「お母さん、だじゃれ教えて。」と娘が言った。私はてきとうに「隣にかこいが出来たよ。へえー、かっこいい。」と言うと、娘はけげんな顔になって「そんなの知っているよ。定番だよ。もっと工夫しただじゃれないの?」と言った。私は本当にそれくらいのだじゃれしか知らなかったので、娘に「降参です。今度考えます。」と仕方なく言った。すると、娘は納得した顔になったので、私はほっとため息をついた。


翌日、娘を幼稚園に車で送る途中、「ねぇ、だじゃれできた?」と娘が言ってきたので、私はやばい!と思った。忘れていたと言ったらまた娘のごきげんを損ねると思い、「今、考え中だよ。」と言った。いや、言ってしまったと例えた方が良いだろう。なぜなら、私は娘に期待されてしまった。


だじゃれのせいで・・・


私は家に帰ると、とりあえず夫にメールした。なぜなら、よく夫はだじゃれを言うからだ。ただ、今までそんなにだじゃれをちゃんと聞いた覚えがない。それが今の悔いだ。


すると、しばらくして夫から返事が来た。

「だじゃれ教えてもいいけど、すこしは自分で考えなよ。」


うーむ、確かにそうだ。自分で考え中と言ってながら、夫に頼るなんて。私はちょっと自分にがっかりした。


夕方、私は娘をむかえに行った。車の中で私は「あのさ、一週間待ってくれない。だじゃれのこと。」と言うと娘はちょっとふきげんそうに「うん、いいよ。」と言った。


それから、私の頭の中は、ほとんどがだじゃれになった。テレビを見ていても、何かだじゃれになる要素はないかと思うほどこの一週間はだじゃればかりになった。


そして、一週間がおわり、娘に「だじゃれ、できたよ!」と自信満々に言うと、娘はなぜか、はぁーと重いため息をつきながら言った。「もう、だじゃれは古いよ。今は川柳だよ。」と言った。


私は、だじゃれブームはおわったのかと残念に思った。


しかし、川柳について、ふたたび娘から教えてと言われたら、もう勘弁してくれと私は絶対に言うと思った。

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