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クリスマス ~当日~

サンタなんていない!いるわけがない。いたらこんなことにはならなかったはず。

結局朝帰りになってしまった。いろんなことを考えながら、いろんなとこをほっつき歩いて、行く場所がないから帰ってきた。ホント、そんな感じだった。


「おせ~よ!」


「圭吾には関係ない。」


うそ、ホントはあなたのせい。


「はぁ!?お前俺がどれだけ……」


「何よ、圭吾には何の迷惑もかけてないでしょ!」


「お前、それ本気で言ってんのか?」


「そうだけど?」

圭吾がいつにもなく怒ってるみたいだ。でも、もういいんだ。歩き回ってわかったことがある。クリスマスだから街中イチャイチャしたカップルに出会った。でも、圭吾とはそんな関係にはなれない。


「っ!!勝手にしろ!!」


そういって圭吾はでていってしまった。なんでだろう、どうしてこう私は……


「素直になれないんだろうね。」


「っ!!田中さん……。」


「ホントはすきなんだろう?圭吾くんのことが……。」


「はい……。」


「まぁ、お父さんって立場からいくとなんとなく嫌だけどねぇ。」


そういって田中さんは笑ってみせる。

でも……


「圭吾は……私のことが嫌いなんです。」


「なるほどねぇ。嫌われてると思ってたのか。」


「だって、圭吾は私に対してそっけないし……。」


「ふ~ん、言われたの?」


「えっ!?」


「言われてないでしょ。言われてもいないことを決め付けるのはいけないと思うなぁ~。」


「で、でも。」


「好きってさっき言ってたよね、伝えた?伝えもせずに結果を決めつけちゃうなんて所詮沙耶ちゃんの愛ってそんなものなんだねぇ?」


「違います!!」


「ならちゃんと伝えるべきだよ、それだけ圭吾くんを愛しているならね!」


「わかった!!ちょっといってくるよ、お父さん!!」


「はい、いってらっしゃい。」


今の言葉で吹っ切れたよ。ごめんね、圭吾。邪魔だよね、うざいよね、でも、好きだから、止まらないから。届くといいな、私の気持ちが……。




************************


はぁ、はぁ。見つからない、結局暗くなるまで探したけれどみつからないや。


とりあえずメールを打つことにした。


『圭吾……大事な話があるの、直接会って伝えたいことがあるから、家の前の公園に来て!』


一人ブランコに乗って圭吾を待つ。ここは、圭吾との思い出の場所なんだ。


――ガサッ――


「圭吾!!」


嬉しくなって声を上げて振り向くと……


「こんなところで一人でいるなんて危ないですよ。お嬢さん?」


最悪だ、喫茶店であったあのチャラ男だ。


「ククク、なんて顔してんだよ。言っただろ?体で払ってもらうって。」


「いや、嫌!」


「さぁこっちへ来い!」


(助けて!圭吾ぉ!!!)


すると、そこにはグッドタイミングで現れた圭吾が!!


「おい、言ったよな、沙耶に触れるなって」


「お前に何ができんだよ、この高校生のお子ちゃまが……、くくっ」


「やるか?」


ボコ、バキボコボコ。


「いやぁ、まさか貴方様がこんなにお強いなんて……」


めちゃ、弱!!てゆうか圭吾かっこいい!!


「ほら、どっか行け!!」



「しゅいませんでした~」


「沙耶、大丈夫か?」


「うん、大丈夫、それでね、言いたいことっていうのはね、、、」


落ち着くんだ、私。大丈夫、大丈夫。


「圭吾が私の事が嫌いだってこともわかってる。」


「沙耶それは…」


「邪魔だってことも、うざいってことも、でも、でも私は…「沙耶!!」」


「俺は、沙耶のことがずっと前から好きだった!!」


ああ、告白するまえに「好き」って言われちゃった。

告白前の失恋か~


…………ん?


「今なんて?」


確か好きって・・・


「何度だっていうよ、俺は、沙耶のことが好きだ!!」


「ええ!!だって抱きついても引き剥がされ、お風呂にもはいってくれなっかったのに!?」


「それはその時もう異性として認識してたから!」


「じゃあ、目をそむけてたのは!?」


「好きな人に見つめられるのは恥ずかしいんだよ!!」


「じゃあ、メガネかけさせたのは!?」


「そうじゃないとお前の顔みてまともに話せないからだよ!!」


「えええええええええええええええええええええええええええええ!!!」


「で、返事はどうなんだよ!!」


圭吾が耳を真っ赤にしてぶっきらぼうに叫ぶ。


「私も圭吾のことす、好きです。。。」


やばい、恥ずかしくて死にそう……。


圭吾の目が妖しく光る。


「じゃぁ、俺たち恋人だよなぁ?」


「え!?」


私が恥ずかしくってもじもじしていると、圭吾がいきなり私の顔を持ち上げる。


そして、唇に柔らかい感触が……。




この公園の思い出、それは、圭吾とのファーストキス。二人ベンチに座っているときのこと、



「圭吾~、私あれファーストキスだったんだよ!」


「問題無いよ、沙耶。」


「なんで?」


「だって、沙耶は、僕のお嫁さんになるんだから。」






―――「沙耶」


「何?」


私たちは今、ベンチに寄り添うように座っている。


「覚えてる?」


「うん、覚えてるよ!」


「そっか。」


そっと差し伸べてくる手を握ると、力強く握り返してくる。


やっぱサンタはいたんだね。最高の贈り物だよ。


「プレゼントさ」


「えっ!」

私の考えてた事を知ってか知らずか圭吾が言う。


熱い熱いキスは終わることなく続いた。




すれ違い続けた2つの影が1つに結びついた。サンタのおかげかな?


THE END.











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