表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兄さんは転生者  作者: 鈴寺杏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
58/99

58 大量発生3

 オストロイの冒険者ギルドに依頼に行くと、思いの外騒ぎが大きくなってしまった。

 受付で依頼内容を告げる際にちょっとした会話があって、その話から危機感を覚えた職員がギルド長へと報告した。

 冒険者ギルドの長である『ヤーレン』も、カエル等の大量発生から嫌な予感を感じていたらしく、別室で詳しい話をすることとなった。


 我が家の畑でのナメクジの大量発生、それを食べるカエル。そして先日受け取ったヘビの素材からの連想。

 この話をどう受け止めるかは人によるだろう。

 オストロイのギルド長であるヤーレンは、事実として起きていることを並べられて楽観視できる人間ではなかったらしい。

 すぐさま職員に、調査を行う指示を出した。


「いやー助かったぜ。カエルの大量発生ってことと、若干ヘビの素材が増えていることは報告されていたんだ。だが流石にナメクジってなると、俺達じゃ中々気付きもしねぇ。その辺りも今調べる指示を出した。結果次第だが、山や森含めて大規模にやんなきゃならねーかもな」


 顎髭を撫でつつ、こちらに微笑みかけてくる。

 頬や腕に傷があり、昔のヤクザ映画か時代劇の悪役として出てきそうな風貌だが不思議と怖さは感じない。なんとも『アニキ』と呼びたくなってしまう見た目。父さんより少し上くらいだろうか、おそらく四十前後と思われる。


「そんで、地面掘り起こす肉体労働だっけか。忙しくなりそうだけど、そっちは問題ねーかな。土魔法使える奴は、鉱山関連で出払ってるから無理だけどよ。移動の方は、こっちで馬車出して連れてくことにするわ。ついでに周辺調査させりゃ丁度いいだろうしな」


 思いの外短時間でやり取りは終了。

 無駄に話が大きくなって混乱しないように配慮して、場所を移動しただけだったようだ。


 冒険者ギルドでの用も終わったので、仕立て屋に向かう。

 我が家まで少し距離があるが、商会の馬車に乗ってもらえば護衛もいるし移動も楽なので無事了承してくれた。

 ついでにどんな生地があるのか見て回る。やっぱり新鮮なのは、革系だろう。元世界でスーツを作る時にこういった店に行ったが、あっちは布がメインだもんね。


 仕立て屋の後は、祖父について商会に行ったりした。

 以前から言われている、廉価版というか小型製氷機の話もでた。実はもう試作は終わってたりするんだけど、まだ売るつもりはない。大きい方が売れにくくなりそうなのもあるが、小型の方を売り始めると作業量が増えそうなんだよね。もう少し新しく入った三人が育ってからにする予定。


 帰りがけにベリー系の果物を少し買う。

 今日は、必要な物以外は自重気味。お財布に現金が少ない時は、割と弱気なのだ。



 数日後、堀を作るために冒険者がやってきた。

 代表として挨拶してくれたのは、若い女性。

(この人は肉体労働じゃなくて調査の方かな)なんて見ていたら話しかけられた。


「挨拶の時に私を見ていたけど、君も私と父さんが似てるって思うの? そんなに似てないと思うんだけどな。はぁー、もうやだなー」


 なんだか勘違いしているようなので、説明する。

 この女性『イース』さんと言うらしく、ヤーレン冒険者ギルド長の娘さんだった。

 どうやらギルドではいつも似ているって言われるらしい。

 断りを入れてマジマジと顔を見るが、それほど似ているとも思えない。


「んー。それほど似てるとは思えませんけど。ただ、ヤーレンさんとは先日初めてお会いしたので、僕の意見が参考になるかはアレですが……」

「ですよね! そんなに似てないですよね! はぁーよかった!」


 僕の手を握りながら、喜んでくれた。

 最初驚いたが、後ろの冒険者達に「ほらほらー」って言ってるのが少し可愛らしく見えた。

 たぶんだけど「似てますね!」って言うと、ヤーレンさんが喜ぶからみんな言ってるんだろうね。(これ言わない方がいいんだろうな)と考えてるうちに、彼女はルンルンとスキップしながら調査に出かけてしまった。相方と思われる女性冒険者は、こちらに軽く頭を下げて後を追って行った。

 

 しばらくして(イースさんの名前がソーランさんじゃなくてよかったな)とかどうでもいいことを考えながら、掘り起こす予定の場所で残った冒険者達に指示を出すグレイの元へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ