世界の中心。
注意点
・この文章は思想強めです。この内容が必ずしもすべての人に当てはまるとは限らないです。
・これは自殺を推進する文章ではありません。
必ず以上のことを踏まえて、文章を読んでください。
その昔、「自分を中心に世界は回っている」と考えていたやつがいたらしい。
現実では「自分なんて」とか「あなたのほうが」と言いつつも、「本当は自分のほうが優れている」って思っていた。
周りの人はみんな自分のことを好いていると勘違いしたり、自分がいなくなったら世界は、とか妄想をしていた。
だが、ある時一人の少女に言われた言葉が、心臓に、脳にぐさりと刺さった。
「あなたがいなくても。わたしたち、生きていけるから」
そこでそいつの記憶は途絶えていた。
多分、自暴自棄になったのだろう。なぜか、逆さまの水平線の景色だけが記憶にある。
まあ、そりゃそうだ。そんなことを言われたら、そうなってしまう。だってそれは、「死んでも構わない」と言われているようなものなのだから。
俺は、どうすればよかったのだろうか? そう、思ったらしい。
気づいたらそいつは、星の中にいた。
たくさんの星がきらめく、宇宙の何処かのようなその中に。
最初は「きれいだな」とか、「なんだこれ」とか、そんなことしか考えなかった。見て、触ろうとして、でも触れなかった。
これはなんなんだろう。ようやく疑問を持ち始めた、そのとき。
目の前の一つの星が、消えた。
「…………え?」
そいつは思わず、声を漏らす。
正確には、点滅して消えたのかもしれない。だがそいつの目には、突然消えたように映った。
そして時間があって、そいつから少し離れたところにあった星が、一つ。また別の方向の星が一つと、少しずつ消えていった。
困惑した。いったいこれはなんなんだ、と。俺は何を見させられているんだ、と。
だが、それでも変わらずきらめき続ける他の星を見て、思った。
—―—―ああ、そういうことなのか。
気づかぬうちに、なにか一つ消えたとしても。死んだとしても、周りは変わらず生き続けている。それが、この世界なんだ、と。
そりゃ、人一人死んで世界規模で騒ぎ出すほど、この世界は全く優しくない。甘くない。
残酷で、苦しい。それが、この世界。
俺の周りでも気づかぬうちに、何かがなくなっていたのかもしれない。いや、なくなっていて当然だ。絶対なんて、何一つない。そう思ったら、なぜか少女の言葉に説得力を感じた。
「俺が死んでも、誰も困らないのか」
そこで初めて、そいつはそいつの抱いていた本当の気持ちを見つけられ、その気持ちを変えることができた。
「世界は、誰も中心で回っていない」
下を向いて、はっと微笑んだ。
「ありがとう。—―—―✕✕✕✕」
そいつは、深い深い眠りに落ちた。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
初投稿なので文が拙い部分もなると思いますが、ご容赦ください。
また、世界は変わらなくとも、死んでしまったら、あなたの周りの人たちは必ず変わってしまいます。この文章は自殺を推進するものではないことだけ、前書きと同様にここに書き添えて置きます。
感想や誤字脱字がありましたら、コメントの方で呟いていただけると嬉しい限りです。
改めて、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。