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誰にも取られたくない

 なんか凄いことになっています。イル先生は魔計を置いて飛んでいってしまいましたし,お父様達は走って何かの準備をしに行きました。一瞬"王"と聞こえましたがまさかですよね...この国の最高権力者にそう簡単に会えるはずが...


「ノア!お父様達は何やら忙しいらしいから今日は泊まっていきなさいって!湯浴みも共にしましょうね!」


「え?」


 ええぇぇええええ?!


「だ,ダメですよリリィ!だって私たちは...」


「私たちは?大丈夫ですよ!我が家のお風呂はとても広いですから!」


 違うんだリリィ!だって...だって今の私は男なんだから!


「私との湯浴みは嫌ですの?」


「全然嫌じゃないよ...」


「良かったですわ!ふふっ,お友達との裸の付き合い...ずっと憧れていましたの!」


 やばい...何がってもう何もかもがやばい。


「お嬢様方。昼食の準備が整いました,どうぞこちらに。」


 その後昼食をとり,読書をし,お茶会してまた読書。本の内容は全く覚えてないけど一喜一憂するリリィは可愛かった。


「そろそろ夕食ですわね。その後湯浴みですよノア。逃げないでくださいね?」


 そうだ...結局断れなかったんだった。どうにかして切り抜ける方法を...


「返事。」


「はい!」


 びっくりして大きい声を出してしまった驚かせてしまったでしょうか?


「...いい返事ですねノア。今日は私がお姉さんとして背中を流してあげます。」


 ぎゃわいい!お姉ちゃんリリィ可愛い!もっとぎゅってして...!


「お嬢様方...随分と仲がよろしいようで私も嬉しいです。夕食の時間です食堂へ。」


 邪魔が入ってしまいました...残念ですが夕食を冷ます訳には行きません。


「リリィ?」


 チュッ


「な,何をなさっているのですリリィ!」


 私の頬に...きっ,ききききキスを...!


「ちょっと...誰にも取られたくないって思っただけですわ。行きましょうノア?」


「あっ...」


「ノア?!ノア!」


 しぬ...しんじゃう。わたしいまはおとこのこなのにかっこいいりりぃが...


 そうしてはからずとも湯浴みを回避した私だった。


 ――――――――


「お嬢様。」


「何よ。」


「リノア様は純情であらせられます。お戯れは控えた方が...」


 カノン...一応私付きのメイドが言う。ここ最近で私が変わってしまったのを気にしているのだろう。原因は私の腕の中だ。一目見た時からずっと一緒に居たいと思った,一緒に過ごすうちにもっと求めるようになった。だから...男らしくあろうと思った。おかしいのは分かってる,だって私女だし。婚約者だっている。とんでもないクズらしいけど。クズならこっちから願い下げだしお父様も納得してくれるだろう。髪を切ると言った時は泣いたが。言葉使いも随分板に付いてきた。まだノアの前では出来ていないけどそれ以外ではこの口調だ。ノアが...誰かを好きになる前に完璧にして私に惚れさせる。その後は国外にでも出て静かに暮らそう,幸い金はあるのだ。働かなくてもノアを養っていけるだけの。


「お嬢様!また変な事を考えていますね!全く...リノア様を驚かせたいと言ったあの頃のお嬢様はどこへ...私は悲しいです。よよよ。」


「悲しむならせめて無表情をやめろ。」


 はぁ...カノンは優秀なのですが常に無表情で苦手で...苦手だ。


「だいたい男らしくなりたいだなんて,なったところでリノア様とは一生一緒なんて無理ですよ。第一お嬢様には婚約者が...」


「あんなクズ死んでも嫌よ。」


「会ったこともないのに...まぁクズですが。それとお嬢様,口調が戻ってますよ。」


「お前はどっちの味方だよ。」


「お嬢様ですよ...貴方の幸せを第一に,リリヴィア・アグネーゼ。」

少しでも好きになってもらいたくて男っぽく振る舞うリリヴィアちゃん...いつか気付けるでしょうか?

カノンさんは心の中はめっちゃくちゃうるさいですがポーカーフェイス過ぎて全然感じ取れません。最後のセリフはいつもの悪ふざけらしいです。(リリヴィア談)

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