閃光...爆音と共に
今日木曜日じゃ無いですかー!
「初めまして先生。リノア・リオルヴです。急な見学申し訳ありません。」
私はカノンさんに連れられリリィの元へ来ていた。
「初めましてリノア様。私はリリヴィア様の魔法監督官を務めておりますイルル・ミーシャと申します。どうぞイルと。」
「イル先生はミーシャ家の方でしたか。魔法監督官としてこれ以上の適任は居ませんね。」
ミーシャ家とははるか昔魔法で貴族まで登り詰めたミーシャさんの末裔らしく,当時平民だった為苗字がなく,ミーシャが苗字になったらしい。新たに苗字を与えなかったのは皆"ミーシャ"としての彼女の方がしっくりくるからだってさっきカノンさんに聞きました。
「律者の家系のご息女に褒めて頂けるとは大変光栄です。」
アグネーゼ侯爵が言っていた律者の家系。なんでも嘘をつかないとまで言われるほど歴史を忠実に記録してきた家系らしい。私の御先祖さまたちですね。まぁ今現在私が女の子と記録改ざんをしてますが。
「早速ですがリノア様,どのくらい魔法が使えますか?得意属性と共に教えてください。」
「...先生。ちょっと宜しいでしょうか?」
カノンさんが何やらイル先生に耳打ちしています。それと共に顔が青ざめていくイル先生はもう笑顔を維持できていません。
「...リリヴィア様,リノア様。少しばかり退席致しますのでくれぐれも魔法を使わないようお願いします!」
そう言ってイル先生は屋敷の方へ走って...飛んだ?!舞〇術ですかあれ?!
「イル先生の魔法はいつ見ても凄いですわね。」
「リリィ...実は私,魔法を見るの初めてなんですの。」
「えぇ?!どうして!」
「実はついさっき魔法の存在を知りまして...」
「さっきイル先生をミーシャ家なら適任だって褒めてたじゃない!」
「それもカノンさんに全部聞きまして...」
「やっぱりノアもどこか抜けてるのね。部下さんと一緒だわ。」
お父様!リリィにどんな姿を見せているのですか!私まで抜けてる人扱いされてますよ!後でお説教です!
「お待たせしました〜!」
イル先生が何やら大きな箱を持ってこっちに飛んでくる。一体何が入っているのでしょうか?
「とりあえず簡易版ではありますが魔量計と魔色計を持ってきました。リノア様は初測定ですのでこのぐらいでも大丈夫だと思われます。」
そう言って箱を開けると二つの水晶玉のような物が入っていた。イル先生は手馴れた手付きで組み立て始める。
「先ずはリリヴィア様。リノア様にお手本を見せてあげてください。」
「わかりましたわイル先生。ノア,ここに手を乗せることで魔力量を測ることが出来るの。これは簡易版だから上限は五千ぐらいだけど私は5歳から初めてやっと二千を超えたあたりぐらいだから...2047...こんな感じに表示されるの。ちなみに私は初測定の時は1528,中には五千を超える人も居るけど千を超えれば才能があるとみなされるわ。」
ゲームでこんなの出てきたっけかなぁ?あのゲー厶って序盤にLV80前後になるまで育成して戦闘はオートでやってたからステータスとか全くわかんないんだよねぇ。
「魔色計は自分の適正を測るものですわ。私は火属性が得意ですからこのように赤く光りますわ。ですが少しオレンジっぽいです。これは光属性にも適正がある事を表していますの。」
リリィって光属性持ちだったの?!ゲームでは火属性の魔法しか使ってなかったから知らなかった...
「イル先生は何属性ですか?」
「私は火,水,土,風の四属性ですよ!」
おぉ!あんまり凄さがわかんない!
「四属性持ちは光属性より珍しいですわ。しかもイル先生は私のように混ざった色ではなくて綺麗に四分されていますの。」
「それは是非とも見てみたいですね。」
「ごめんなさいリノア様。私の魔力じゃ魔色計,魔量計が耐えられなくて破裂してしまうのです。」
「...流石はミーシャ家の方ですね。」
もうミーシャ家の皆さんでラスボスを...あれ?ラスボスって誰だっけ。
「いえいえ,私なんてまだまだですよ。父なんて簡易版じゃ近づいただけで破裂してしまうのですから。」
ぇえー...規格外過ぎませんかそれ。
「ノア!それより私は貴方の色を知りたいわ!ノアは優しいから水か風かしら?風なら私の火属性と相性が良いから一緒に練習しましょう!もちろん風じゃなくもですよ?」
「もちろんよリリィ。元よりそのつもりですわ。...イル先生同時に手を乗せても反応するのですか?」
「えぇしますよ。先程は説明の為に片方ずつでしたが本来は同時です。」
「では...!」
私は両手を魔計に置いた...瞬間。
カタカタッ
「ちょっ!リノア様ストッ...!」
目を焼き尽くす程の白い光とともに魔計は音を立てて...爆発した。