表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/189

第75話 計画を進めよう

遥曰森の隠れ街計画、他者曰く神都計画は誰にも知られずに進みます。

運よく迷い込んだら知らない街に来た。一回出ていって後日もう一度来ようとしたら、街自体見つからなかったというのが目標。

 傲慢のエルガルドは能力を失い、力を失った。

 今後、この世界を闘いと忠誠の中で生きていくのは非常に難しくなるだろう。

 誰もを愛し大事にせよとは誰も言っていないのだ。

 ただ下手な差別をしないで、知るべきことを知らなければいけない。

 ミレイさんは去り際に、彼らにそう言い残していった。


 キャンプは撤去され、騎士たちはそれぞれの場所へと帰っていった。

 去り行く大神殿の騎士たちは羨ましそうにミレイさんの背中を見送り、難を逃れた王国騎士たちはエルガルドを汚れた者として扱いながら荷車に押し込んでいった。

 三者三様というかなんというか……。


「ただいま戻りました」

「おかえりなさい。一部始終見てましたけど、とりあえずお疲れ様でした」

 帰ってきたミレイさんとミレたちに慰労の言葉を送っていると、ミカとミナが彼女たちに紅茶とお菓子を用意していた。

 とりあえず小休止だ。


「食べながらでいいのでこれからのことを伝えますね」

「はい」

 紅茶を口にしながらミレイさんが頷く。

 ちなみに、リディさんに関しては今は自由にしていてほしいので、好きに遊んでもらっている。


「今後この地に街を作るわけですが、まずは新世界から資材を持ってこようと思います」

「この世界の素材は使わないのですか?」

「はい。そちらに関しては街ができ次第、住人たちに利用してもらうつもりです。新世界に住む人はしばらく限定しようと考えていますので」

 ある程度の開拓はするが、基本的な資材は新世界から調達する予定だ。

 街の近くに村を作ったり小屋を作るなら周囲の素材を利用してもらうつもりだし、過度な伐採が起こるようなら調達先を指定しなければいけなくなると思う。

 資源は有限なのだ。


「あの」

「どうしました? ミレイさん」

「新世界ですが、私たちも見ることはできるのでしょうか」

 ミレイさんがおずおずと手を挙げながら質問を投げかけてきた。

 

「はい。可能です。小休止の後、現地に行こうと思っています」

 というわけで、ほとんどミレイさんとしか話していなかったが、小休止を終えると新世界へと移動した。




 新世界に移動したボクたちが最初に見た光景、それは徐々に完成しつつあるボクたちの拠点の姿だった。

 といっても棟数は多くないのだが、人海戦術と重機がなくてもサクサクと進む重量物の運搬と搬入で基礎工事がどんどん進んでいっているのだ。

 建物がない場所でも、すでに基礎ができているのだから驚きだ。

 

「新世界、不思議な空気に満ちていますね」

 ミレイさんは深呼吸しながら異世界の空気を確認していた。

 

「あー! もふもふー!!」

「わっ、きゃー」

 リディさんが突然駆け出したので、何事かと思った見てみると、妖狐族の従者たちの尻尾に突撃しにいっていた。

 もふっという感じで尻尾に埋まり、妖狐族の少女たちが悲鳴を上げている。


「こら、リディ!」

 さすがのミレイさんも怒ったようだ。


「ふわふわでもふもふなものに突撃したくなる気持ちはわかりますから」

「私も瑞歌さんも人間形態しかとっていませんので、ああいう尻尾はないですしね」

「私は自分になくとも、お姉様の尻尾に埋もれるから大丈夫ですわ」

 ミリアムさんはあまりケモ耳に興味はなさそうだけど、瑞歌さんは他人の尻尾には興味津々な様子だ。

 そういえばマルムさんたちはどこにいるんだろうか。


「あ、シーラ。マルムさんたちはどこ行ったか知りませんか?」

 近くでおやつの準備をしていたシーラに声を掛けてみる。


「あ、マスター。おかえりなさいませ。マルムさんたちは少し遠くの調査に出ています。まだ帰還までは時間がかかると思いますので、帰還したらお知らせします。それと、新規の方ですか? ようこそ、いらっしゃいませ」

 ミレイさんたちを見たシーラがぺこりと挨拶をする。


「フェ、フェアリーノーム様がしゃべってる!?」

 ミレイさんはたいそう驚いていた。

 まぁそうですよね。


「フェアリーノームは向こうの世界ではしゃべれないんです。理由は色々あるようですけどね」

「はー。そうなんですね……」

 ミレイさんは驚きすぎたせいか、お嬢様のような雰囲気が一気になくなってしまった。

 もしかしたらこっちが素なのかもしれない。


「この場所が新世界の拠点となる予定です。この世界にはまだ人類がいないことがわかっていますが、魔物のような動物のような、まぁ獰猛な生き物がいることだけはわかっています」

 魔法要素はあるのに人類がいないせいで古代人の施設もない。

 少し寂しいからダンジョンでも作ろうかな?


「す、すごいです……。私たちの世界よりも圧倒的にすごいです!!」

 何がすごいのかわからないけど、ミレイさんには何か違いを感じられているようだ。

 まぁ、魔素というかマナは濃いめだと思うけど。

 エーテルもあることだし。


「あっちの世界では感じられない力のようなものが、この世界にはあふれているんです。具体的にはわかりませんけど……」

 長く向こうの世界にいたおかげか、違いを敏感に感じられるようだ。

 ボクはそういうものとしか捉えられないけど。

 

「世界の微妙な違いかぁ。ボクにはいまいち感じ取れないのが残念です」

「主は主ですから。作った方が違和感を覚えないのは当然です」

「逆に、変なものが来ればすぐわかるようになりますわ。遥お姉様」

 ミリアムさんたちにそう言われるとなんとなく納得できそうだ。

 特に瑞歌さんは違和感の塊だったしね。

お読みいただきありがとうございます!

ブックマークや評価ありがとうございます。


※申し訳ないです。感想返信修正しようと思ったのですが、間違えて消してしまいました!!

平にご容赦を……。

ちなみに遥の世界の件に関する感想のことです。

本当に申し訳ないです。

以下、返信内容です。

感想ありがとうございます!

遥の中での故郷は地球なので帰る気満々です。仕事先兼逃避先が新世界です。

管理自体はお任せしていくスタイルになるかと。

ちなみに、遥のお母さんも普段は地球にいます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ