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第62話 新世界拠点の新設備

 色々な報告を受けてからしばらくすると、またフェアリーノームの数が増えていた。

 アンカルからの街の増援および移住者として30人がやってきたようだ。

 名前どうしよう?

 

 ちなみにみんなボクの眷属らしく、狐耳モードになれるらしい。

 今度見てみたいから頼んでみようかな?

 

 作業員が増員されたおかげで建築スピードが大幅に増したので、ちらほら完成した建物も出始めている。

 ちなみに、ハーンさんは一度魔界へ戻ると言って消えてしまった。


「うへぇ~。話してる間にどんどん建物が増えていく……」

 まず寝る場所の確保、ということで数棟の建物が同時に建てられている。

 ほとんどの建物は1階建ての丸太で組まれたログハウスになっている。

 そこそこの大きさで仮拠点としての機能を持たせているようだ。

 

 こんな感じの建て方をボクは知ってる。

 某サンドボックスゲームでよくやるやつだ……。


「同じような大きさと形のログハウスが建ち並んでる……」

 今のところ5棟建っており、別荘地か何かのような様相を呈していた。

 

「今建っているのは用途別のログハウスとマルムさんたちの住居ですね」

「フェアリーノームたちはどうするんですか?」

 今のところ10人が一つの巨大なベッドの上で一緒に寝ている。

 円形の部屋の大半を占めるベッドで、そこにそれぞれが好き勝手に寝転んでいる状態だ。

 時々積み重なっていたりするのを見るとほっこりするけど。


「目標は全員収容型です。完成するまでは戸建てに入ることになるでしょうけど」

 どうやら50人くらいいるフェアリーノームたちを全員一か所に集める予定のようだ。

 多分かなり大きな建物になるんじゃないだろうか。


「ミレたちって集まって寝るのが好きですよね。時々積み重なってますし」

「そうですね。私たちは一か所に集まることが多いです。特に主様がいるのでみんな狙って一緒に寝たいと考えていると思います。積み重なっているのはたぶん、くっついていると暖かいからだと思います」

 猫かな?

 だからって5段も6段も重ならなくてもいいと思うんだよね。


 基本的に小柄な少女の姿なので、まとまったところでそんなに場所は取らないと思う。

 でも、さすがに50人が一か所で寝たら大変なことになりそうだ。


「それでは主様。今建っているログハウスについて簡単に見ていきましょう」

 そう言うとミレはログハウスに向かって歩き出した。

 ちなみにボクはどんな建物が建てられているのかはわからない。


「まずはここです。鉱山資源研究所です」

 ミレに案内されてやってきたのは、『鉱物資源研究所』と書かれた看板が掲げられたログハウスだった。

 なんとなく言っていることはわかるんだけど、何をしているんだろう?


「ここでは新しく発見された鉱石を調べたり、新規鉱山を開拓したりする計画を立てています」

 そう説明され案内された室内では、ツルハシを抱えたフェアリーノームや机の上に広げた地図を見ながらああでもないこうでもないと言い合っているフェアリーノームたちの姿が見えた。

 ちなみに、全員お揃いのつなぎを着ている。


「新しい世界での開拓なのでみんな生き生きしています。他のノーム種が現れる前に、とことん見つけてみようという気持ちが溢れていますね」

 たしかにミレの言う通り、フェアリーノームたちは楽しそうにしていた。

 まぁぱっと見た感じだと土方少女なんだけど……。


「ちなみにここでの成果は鉱物利用研究所に引き継がれます」

「鉱物利用研究所?」

「はい。ご案内します」

 いつの間にかボクの知らない施設が増えていた。

 なんだか技術開発に熱心だなぁ。


 そのままボクたちは『鉱物資源研究所』を出て別のログハウスへと向かった。

 少し歩いてたどり着いたログハウスには、『鉱物利用研究所』の看板が掲げられていた。

 

「ここが鉱物利用研究所です。鉱物資源の利用方法やそれを使った武器・防具・道具の開発研究をしています」

 建物の中には延焼しないように区切られた、石造りの一角が存在していた。

 石造りの一角の中に、炉が設置されているのを見るに、ここで精錬も行っているようだ。


「主様はスキルですぐに精錬できるでしょうけど、私たちでは同じようにはできません。なので、精錬するにはどうすればいいかをここで確認します」

 炉がある鍛冶場は石で作られているので、色々な実験ができるようだ。

 便利な素材ができたりするんだろうか? むしろボクも協力すべきだよね?


「ここでの研究成果は『素材開発部』や『技術研究部』に利用されます。主様の故郷である日本からの技術導入もこちらの世界で進める予定ですが、問題ありませんか?」

 ミレは小首を傾げながらそう投げかけてきた。

 くっ、かわいい! そしてあざとい……。


「ま、まぁ、いいです、けど?」

 ちょっと照れながらも許可を出しておく。


「ありがとうございます。主様」

 笑顔でミレにお礼を言われると、何となくそわそわしてしまう。


 ミレと話し終わったので部屋の中を見学していると、何やらミリアムさんとミカが同じ机の上で何かをいじっているのが見えた。

 何をしているんだろう?


「ミリアムさん、ミカ。何してるんですか?」

 声をかけて近寄ると、二人がこっちを振り向いた。


「主。今ミカさんと採集された液体エーテルについて確認していました」

「ご主人、これすごいです。これ単体で生命作れちゃいます」

「生命……?」

 机の上に置かれた瓶の中には薄っすらと青く光る液体が入っていた。

 これが液体エーテル?


「これをどうするつもりですか?」

「もし主が良ければ私が液体エーテル関連を管理したいと考えています」

「それは構いませんけど」

「ありがとうございます。これで精霊を生み出して、精霊の肉体となるホムンクルスを生み出すことができるようになります」

「研究が捗ります!」

 ミリアムさんもミカも嬉しそうにしていた。

 ホムンクルスってなんだろう? 人工生命体だっけ?


「ミリアムさん、ホムンクルスで何をするんですか?」

 精霊に肉体を与えるってことだよね?


「はい。ホムンクルスに新世界の拠点防衛を任せようと考えています」

 笑顔でそう言うミリアムさん。

 どうやらこの世界で初の戦闘用ホムンクルスが誕生するようだ。


「ホムンクルスかぁ……。防衛……防衛……。あっ、【亜神】対策忘れてた!!」

 フェアリーノームの世界で知った【亜神】。

 向こうの世界では見ることがなかったけど、こっちの世界に来ないとも限らない。

 早く対策しとかないといけない気がする!!

お読みいただきありがとうございます!

ブックマークや評価・感想うれしいです。

矛盾点・おかしなところがあったら頑張って直しますのでよろしくお願いします。

(色々増やすと設定を忘れる可能性有)



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