第55話 新世界
二回目の投稿を21時くらいにやりたい所存。
もう少し探索しますよ!!
水晶球の中に宇宙ができた。
なんだかSFの世界を見ている気分になってきたぞ!?
でも、居住可能な惑星ってどう探すんだろう。
宇宙船もないのに宇宙に出られるわけないし……。
「うーむむ。はてさて、どうしたものか……。お?」
悩みつつも水晶球に手を当ててあっちこっち撫で擦る。
すると場所が移動してほかの場所を映し始めたのだ。
「これはもしかしてマウス的な、トラックボール的な動きができる??」
くりくりと動かしていると拡大もできることが分かった。
あとは検索みたいなのができればなぁ……。
「居住可能な地球型惑星どこー」
思わず声に出た。
しかし同時に、水晶球は1つの青い水の惑星を映し出していた。
「おぉ? 見た感じ地球っぽい! でも居住できるのかな……」
なんとなく地球型惑星らしい惑星を突っつく。
すると何やらパラメータのようなものが見え、そこにO2の文字を見つけることができた。
「あ、酸素あるんだ……。ん?? なんでボクたちの世界の表記なの? もしかしてボクのイメージに引っ張られてる? なにこれ、よくわかんない……」
魔法もよくわからないけど、神様というのもよくわからない。
ただの水晶球だと思っていたのに、やってみたらちょっとしたパソコンのWebサイトみたいになっている。
ご都合主義か創造の力か、どっちだ?
「まぁいっか。理由は後で調べよう」
というわけで早速判断を保留にした。
今のボクには理解できないんだから仕方ないよね。
「ふんふーん。生物は動物くらいかな? 人型はなし。大きな虫もいなそう。地球とは違う形になっているのかなぁ。お? 日本っぽい地形みっけ!! ここに拠点作っちゃおうかな~」
惑星内に日本のような地形を見つけた。
たぶん本物とは違う形になっているはずだから、探索するなら気を付ける必要がありそうだ。
「知的生命体の発生モードはOFFになってるのか。へぇ~。なんだかゲームみたい」
急にシミュレーションゲームをやっている気分になってきた。
とりあえず入植可能なようなので、そこと繋いで新しい領域を作ろうと思う。
「【エリアクリエイト】っていうスキルが領域を作るのに必要らしいから、これを使って人間と妖種や神族を分けちゃおう」
これでボクの世界と居住領域を区切り、ミレたちの世界とこの世界、そして日本のボクの家を繋いでしまおうという計画だ。
「一応この世界にもボクの領域は用意したいなぁ。そこと新世界を繋ぎたい」
誰でも来れるような状況はノーサンキューなのだ。
快適な生活のためにも、便利な道具を導入しつつ発展を見守りたい。
それがボクのスローライフになると信じて!!
「ハッ、これって究極の引きこもりスキルなんじゃ……」
ちょっとだけ将来のボクが心配になってしまった。
「とりあえず、まずは新世界を見に行かないとなぁ」
家は持っていけないのでそのあたりは後で考えるとして、向こうの管理者も決めないといけないのか。
さて、どうしよう?
考えれば考えるほどやることがいっぱいだった。
「とりあえず細かいことは後で調べるとして、まずはミレを連れて行ってみようかな。ミレ、一緒に来る?」
隣にいたミレに声をかけると、ミレはコクンと頷く。
ミカとミナ、シーラも行きたがっていたけど今回はお留守番だ。
「軽く調べるだけだから、ちゃんとした探索にはちゃんと連れて行くからさ」
渋ってなかなか納得してくれない三人だったけど、次回の話をすることでようやく納得してもらえた。
「あ、ミカとミナは村のギルドに卸すもの卸してきてもらえる?」
二人にお使いを頼むと、任せろと言わんばかりに平たい胸をどんと叩いた。
「シーラはお茶の準備でもしておいて。そんなに長いこといないはずだから」
シーラは嬉しそうにコクリと頷いて微笑むと、さっそくキッチンへと向かっていった。
「それじゃあ行ってみましょうか」
水晶球を通して行き先を念じると、こことは違う景色が見える通路が開いた。
この先が新世界なのだろう。
「空気よし、変な病気とかなし? 匂いも変な臭いはしない。天気良好っと」
通路を抜けた先は森の中だった。
たぶん似ている景色を無意識に選んだのかもしれない。
でも見える範囲に平原が見えるので、森の中でも浅瀬のほうなのだろう。
「さてっと……。およ? 通路は開いたままなのね」
後ろを見ていると通路は開きっぱなしになっていた。
とりあえず最低でも通路回りは保護しておきたいので制限をかけよう。
「よし。【エリアクリエイト】」
獣のいない見える範囲を指定して制限区域を設定する。
これで少なくとも変なものは入り込んでこないだろう。
「じゃあミレ、いこうか」
頷くミレの手を引き、ボクたちは歩き出した。
森を出ると広い平原と山、そして遠くに切れ目が見える。
川か谷があるのかもしれないので、後で確認だけしてみよう。
「ミレ、あれ見て!」
ボクは大きな鳥が飛んでいるのを目撃してしまった。
もしかするとファンタジー的な生物なのかもしれない。
「主様、後ろに!」
「えっ? ミレ!?」
大きな鳥を見たミレが急にそんなことを言い出した。
もしかして、話せる……?
「えっ? 私、喋れてます?」
「うん! すごい!!」
ミレは驚いている様子だった。
当然ボクも驚いている。
「この世界、フェアリーノームたちも話せるのか!」
大発見だった。
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