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第105話 新世界妖精郷

 数日後、ボクの目の前に5人の少女が派遣されてきた。

 名目は護衛ということだが、たぶんお披露目なのだろう。


「主。名前は決まっていませんが最初の精霊を用意いたしました」

 ミリアムさんがそう言うと、5人の少女が一斉に頭を下げる。

 今回は何人の受肉した精霊が生まれたのだろうか?


「今回は10人の精霊が生まれました。男性が4人、女性6人で、そのうち女性5人を主の護衛として配置しました」

 今回はどうやら男性も一緒に誕生したようだ。

 最初の10人はどういう能力を持っているのだろうか。


「今回の10人についてですが、それぞれが大精霊クラスの力を持ったプロトタイプとなっています。なお、男性4人、女性1名に関しては別の仕事を与えるために現在トレーニングをしています」

 どうやら最初の子たちはかなりの力を持って生まれたようだ。

 となると、今後生まれる子たちはこの10人の配下や眷属のような位置づけになるのだろう。


「今後、この10人を筆頭に精霊たちの体系を作っていく予定です。主の元へ配置しているこの5人に関してはいずれ侍女兼指揮官として働いてもらうつもりでいます」

「実際に何かと戦う場合は、その配下の子がということになりますか?」

「はい。その通りです。この子たちには大精霊クラスの力を持たせているので人間界では過ぎた力となってしまいます。そうなると活躍の場がなくなってしまうのです」

 どうやらこの子たちはそれだけ強力な存在のようだ。


「属性はそれぞれ地水火風と無を与えています。無は無属性になります」

「属性、ですか。そういえば精霊はほかにもいるのですよね?」

「はい、自然を管理する各担当者がいます。各担当者にはそれぞれ星の運航を助ける役割に就いてもらう予定です」

「おー。なんだか壮大ですね。期待しています」

 精霊のことはよくわからないけど、どうやら自然を管理したり生き物に影響を与えたりしてくれるようだ。

 あとは精霊の属性についても後で確認してみることにしよう。

 ボクには彼らほど顕著な属性があるわけじゃないからね。


「あとは5人の名前を決めないとですかね。何がいいでしょうか……」

 5人はそれぞれ可愛らしい顔立ちをしている。

 髪型もみんな違うし、身長も違うのだ。


「みなさんの身長が違う理由ってなんなんですか?」

 高い身長の子もいれば低い身長の子もいる。

 これはどうしてだろう。


「わ、私はこのくらいの身長のほうが良さそうだったので……」

 5人の中で中くらいの身長の子がそう話す。


「あたしは低いほうが好きだったのです」

「オレは高いほうが好きなんです」

「平均より若干下が好き、です」

「ふつーくらい? あ、でも思ったより低い」

 最初に話した子に続いて、みんなが選んだ理由を簡単に教えてくれた。

 どうやら身長はみんな直感的に決めたようだ。

 でも似合ってる感じがして悪くない。


「ええっと、地属性の子が茶色い髪の子で、身長低めかな?」

「はい!」

 

「次、水属性の子が水色の髪の子で、若干低めかな?」

「その通り、です」


「で、火属性の子が赤い髪の子で、身長高め?」

「そうです!」

 

「風属性の子が緑色の髪の子で、中くらいの身長?」

「は、はい」


「最後、無属性の子が銀髪の子で、地属性の子より高く、水属性の子よりは低めの身長かな?」

「当たりです」

 どうやらみんな正解したようだ。


「じゃあ名前はもう少し待ってくださいね。考えなきゃいけないので」

「は、はい」

「わかりました」

「まってます!」

「は~い」

「わかったです」

 なんとなく5人の性格が見えてきた気がする。


 地属性の子は元気な女の子で、水属性の子はおとなしめの女の子。

 火属性の子はオレと言いながらも礼儀正しい女の子で、風属性の子は少し緊張しやすい女の子のようだ。

 無属性の子はどことなくぼんやりした、のんびりしたような女の子に見える。

 なんだかおもしろくなりそうなメンバーだ。


「とりあえず今日のところはのんびりしていってください。ミリアムさんはこの後は?」

「私はほかの子への指示出しをやってしまおうと思います。それから残りの調整をしてという感じになります」

「なんだか大変そうですね」

 ミリアムさんはボクよりもたくさん働いているような気がする。

 なんだか申し訳ない気持ちになってきたぞ。


「問題ありません。補助は用意していますし、主には主でクローンの管理がありますから」

「そういえばそうですね。でも後は様子を見るだけなので」

 ボクが用意しているお婆様用のクローンはもうすぐ出来上がりそうだった。

 今は安定し、ボクのサイズになるまで成長を待っているところなのだ。


「ミリアムさんは住人となる精霊も用意するんですよね?」

「はい。フェアリーノームだけに頼らないように各種作業を任せられるようにするつもりです」

 ミリアムさんに聞いた話だと、この世界の精霊は人間と変わらない生活をする予定だそうだ。

 つまり、精霊世界ともいえるような状態になるということらしい。


「じゃあここも妖精郷って名前になるんですかね」

 妖種と精霊が住まう郷ということで必然とそうなるだろう。


「そうなりますね」

 ミリアムさんも納得した様子だった。

 

 うん、暫定的に新世界妖精郷と呼ぼう。

お読みいただきありがとうございます!

ブックマークや評価ありがとうございます。


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