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ラストサバイバーズ[online]  作者: 亭々堂天天
2/2

No.1.5~2 オネエさんは物知り

やば、疲れた。

よろしくさん



しばらく歩いててわかったことがある。(親切なオネエさんに教えてもらった。)

曰く、ここは5つある最初の街のうちの1つ、ほかの4つはここディストピ…ディストリアよりは明るく、いい街だそうだ。

曰く、ここディストリアでは銃器を専門とした職業、ゲーム、工房、闘技場があるらしい。オネエさんはここではなく他の4つの中で一番美しいと評判の都市、アスガレリアに本拠点を構えているらしい。

曰く、このゲーム、建築系職業に就いていると好きな場所に家を建てることが可能らしい。鍛冶、製作系職業に就いているとオリジナルの武器を作成することも可能らしい。夢が広がるね!


というわけで今、胴体、手、頭部位の初期装備を全て売って参りました。

代わりに安い銃器と近接武器が買えるね!万歳!なので俺は今、武器屋に向かっておりまする。周りのおっさんが皆カッコいい武器を担いでいてなんだろうとか思いながらマップに示された武器屋のほうへ向かう。


え?見た目が女の子問題はどうしたかって?ははは、心まで女の子になってしまえば問題ナッシン!

おネカマ万歳!女声万歳!


というわけで武器屋に着いた。

この街が全体的に暗いせいで武器屋がどれかわからなかったじゃないか。全くだ。

いらっしゃい、と店主の厳つい声が響く。今の俺のステータスではこのオッサンにも勝てないだろうな。いや、案外何とかなる?やめておこう、多分これ手配とかされるやつだし。


「なんでぇ、オッサンでもオネエさんでもねぇや、お嬢ちゃん、家に帰んな」


!?明らかに定型文ではない自然な話し方、頭のネーム表示が緑だと!?かなり高性能なAI積んでるな?ほんとにこのゲーム細かいな。NPCまでかなり凝ってる。


「いや、迷子でもなんでもない、客だ。これだけで買える武器を」


初期とはいえ装備を売った金だ。まぁまぁな金額だろう。


「こんな小せぇ嬢ちゃんでも武器を担ぐのかい、この金額だったらこれがおすすめだ」


うっそだろ…とか言いながらスッと布に包まれた物を差し出してくる。


「こいつは最近入荷された奴でな、火力と機動力に重点を置いてる。お嬢ちゃんみたいなちっせぇのでも持てるだろう、名前は“メガ火力最速ナイパー壱号”、製作者は“特化マンじゃい”だぁ」


プレイヤーが作ったやつかよ、いやネーミングセンス凄いな、出来もいいし完璧なのでは?

特化マンじゃい氏、いつか会えるといいな。というか製作者の名前出してもいいのか?


「じゃあそれにする。他のプレイヤーが作ったやつなら確実だな…製作者の名前出してもいいのか?」


「本来なら駄目だぁ、ただ、こいつは別でなぁ、製作者本人が『私の武器を売るなら私の名前も出して!てか出しなさい!』なんて言いやがるからよぅ」


やけに上手い声真似で話す店主、この顔からは想像もできないような声を出してきやがる。

思わず笑いそうになったじゃないか、今ので特化マン氏が女性なのも判明したな、プライバシーとはいったい…まぁそろそろ話を切り上げて試合だ試合


「ありがとう、釣りは要らない、これからも使わせてもらうよ、よろしく」


「いや釣りは要らないってお嬢ちゃん、銃弾(タマ)ァ買う金はどうすんだ?銃弾(タマ)ァは別の店だぞ?タマがねえと撃てねえだろう」


「あっ…」


カッコつけが大失敗だよ畜生。というか銃弾別売りなのか。面倒臭いな。


「どこで売ってる?銃弾」


銃弾(タマ)屋がどこにあるのかも知らねえのか、銃弾屋ならここを出て右にまっすぐ行ったとこにあるボッロボロの店だ。わかりやすい見た目してるはずだからすぐにわかるだろ。」


ガハハ、と笑いながら紙に書いて説明してくれる武器屋のおっちゃん。成程、なんとなくわかった。


「ありがとう」


「気にすんな、よくあることだ」


スッと情報料を渡そうとするが手で押し返される。


「情報料はタダだ」


スッ…ズイッ


「タダだ」


スッ


「タダだ」


スッ


「タダだ」



……………


………………………………………



結局俺が引き下がって終わった。



いい店主だ。普通は情報料を取られた所だろうに。この店がオネエさんのおすすめというのも頷ける。品揃えも良さそうだし混んでない。店主の対応も最高。客が少ないのが不自然な程だ。

店主のおっちゃん


「ありがとう、また来るよ」


「おう!また来いや」


……

……………


銃弾も購入したので、そろそろここ、ディストリアを出て旅に出たい。

ただ外への出入り口が分からない……


「「どうしたもんかねぇ……………」」


はぁ、と溜息を吐く。誰かと被った。同じこと考えてる人もいるもんだなぁ。

て、え?

声がした方を見る。相手も驚いたようで、目をカッと見開いてこちらを見ている。うん俺もびっくりだよ驚いたよ。


「「あのー」」


また被った。というかこの人女性か?いや見た目は女性だけどそうじゃない。声が。

ボイチェンの可能性もあるがここまで自然な声じゃないはず。


「あー…あなたもバトロワ受付探しですか?」


「バトロワ?いや俺は外に出たいだけだけど」


バトロワ受付?バトロワができるのは知ってたけど受付で申請するタイプなのか。

普通はメニューから申請だと思ってたけどこのゲームはそういう風なのか。


「このゲーム地図ないっすからね、不便ですよね」


「そうですね、あ、ではバトロワの受付ってどこにあるかわかりますか?」


受付かぁ…受付、受付、あれ?てかよく考えたら今どういう見た目なんだ?

装備を全部売ったせいで外套の内側は実質全裸なのでは?

まあいいや、後で装備を買いに行こう。

あっ、思いだした、確かオネエさんが言ってたぞ。えーと、どこだっけ、あー、あれだ。

あの厳つい三つの塔の真ん中にあるドームの建物の…二階?三階だったような気がする。


「多分あの塔に囲まれたドームの建物の二階か三階だったはず」


そう言って建物に向かって指をさす。


「ありがとうございます!外に出るなら地下から出れますよ、私、アスガレリアから来てるから確かな情報です。地上から出ようとすると門に隠蔽魔法がかかってて見つけようがないですよ」


成程、それは見つからんわ。地下から出るのか。この都市、地下のほうはスリとか強盗とかが地上より多いって聞いたけどどうなんだろ。


「こちらこそありがとう。ところで、世界ランク現一位の人のレベルとバトルスタイルってわかる?」


「えっと、確か43レべでエイム主体の異常回避だったはずです」


「ありがとう」


成程、回避アタッカーか、ok、来週にでもランキング戦だな。しばらくはレベ上げ。


「あの、ではまた、いつか会いましょう」


「おう、いつかまたな」


名前は覚えた。凛さんだな。消せるのにプレイヤーネーム、表示したまんまだったもんな。

それにしても可愛いかったな。まぁこのゲームキャラメイク自由だもんな。てかこのロリボディから男子高校生の声が聞こえてくるのってどんな感じなんだろう。

うわなんか嫌だな、女声取得必須だな。それか合成の機械音。

そうだ防具…は金がないな。うん



ついた。地下都市。


スラムってるなぁ。いやスラムってるってなんだよ。

あっ、もやしみたいな細身のお兄さんが辻斬りに遭ってる。災難だったな。まぁそんなこともあるさ。

俺は何で襲われてないかって?そりゃ全力で走ってるからに決まってるだろ?


「ここか」


それっぽい出口を発見。あ、オネエさんもいる。このプレイヤーの列に並べばいいのかね?

そうっぽいし並んでいこう。


「通ってよし!」


NPCの兵士?警備員?的な人に言われる。

門をくぐったら未知の世界が―――



砂漠ッ!、辺り一面ッ砂漠ッ!

砂漠に出た。さて、多分世界は広いから砂漠だけってわけではないと思うんだが…


……………


歩くこと一時間。もう現実時間は深夜2時。いまだに砂漠、奥の方に緑が見えてきた。

幸いまだモンスターには遭遇してはいない。


「やば、喉がからっからだわ」


「あっ、ネズミだ」

どうせ仮想現実だから現実には影響はしてこないのだがかなり疲れた。

緑のところに着いたらとりあえずログアウトして寝よう。

あぁーっ!電気もねえ!人もいねえ!モンスもそんn(どーーーーーん!!


「は?」






気が狂い始めて歌い始めた瞬間、突然爆音が聞こえた。これが俺と()()()との出会いだった。



とりあえず現状、砂漠に爆音が響いた、音がした方角を見ると外にはおっきなサメさんが!!

しかもそのサメさんは砂漠を泳ぎながらどんどんこっちに迫ってきた。

そして反射でスナイパーライフル――メガ火力最速ナイパー壱号を構えた。そして今に至る。



砂漠中に小ぶりな銃の音とは思えない、爆発のような轟音が響き渡る。


命中。少しはダメージが入ったか?「GUGYAAAAAAAAAAAA!!!!」あっ全然?そうですか。

距離を縮められすぎた。相手が速いとはいえこっちも一応移動特化だ。ヒットアンドアウェイで逝こう。あ、違う、そっちじゃない、行こう。


こうして、プレイヤー名、徳川ヨモギによる地獄の作業ゲーが始まった。


あ、HPのバーが表示されてる。ゲッ、10発ぐらい当てたのに一割もいってないぞ。残りは187発。

厳しいか?まぁ、最初の一回はデスペナルティないらしいし気楽にやりたいところ。





そしてまた砂漠に轟音が響き渡る。その音は1体と1人の繰り出した音だ。

その轟音に気付いた一部の人間は、自らの止まらぬ探求心に駆られ、その戦いを観にやってくる。


「おいおい、なんだよあのでっけぇ鮫」

「よく見ろよ、あのプレイヤー、一人であれと戦ってねえか?」

「あの女の子が持ってる武器もかなりいい性能してそうだな、多分プレイヤー産だな」

「あの癖の強い立ち回り、見たことあるような…」

「待てよあの女の子普通に可愛くない?ない?」

「黙れロリコン」

「あの銃は多分特化マン氏かカマンベイラー氏製のやつだと思う」


その一部の集団から少し離れた場所。砂漠迷彩柄の外套を羽織った背の高い女が呟き、声を張り上げる。

「あれはメガ火力最速ナイパー壱号かな?いいねぇ、私の武器が試されるよぉ?さいっこぉーう!!

ファイトォっ!!」


観戦していた一人が気付く。

「おいあれ特化マン氏じゃね?」

「え?どれだよ」

「あれあれ」

「あー確カニ」

「あっ、鮫が!!」


まだ、戦いは、始まったばかり。何が起きたかは、その場にいた人間にしかわからない。

500話とか超えてるssの作者の文章力が凄いなと書いてて思った。

2月中には3話を投稿すると思います。

あとギャグと恋愛要素が全然ないってね?まあそのうちね?

こんな感じでゆるーーーーーーくゆっくり投稿していくので気長に、首を長くしてお待ちいただけると幸いです。


こんな駄文ですがこれからもよろしくお願いします。


いつかキャラ設定とか資料集も作る予定。

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