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序
このお話は、牡丹灯籠のオマージュ……かもしれません。
荻原 新のスマホから着信音が鳴ったのは、とある高校の教室での事。
その音が鳴った途端、新の顔は青ざめる。
その理由は、教室でスマホをマナーモードに設定していなかったからではない。
そもそも、今の時間は昼休み。
着信音が鳴ったところで、それを咎める教師などいない。
そして、青ざめたのは彼だけではなかった。
事情を知っている一部のクラスメートたちも、青ざめた顔で新の方を向く。
「荻原。今鳴ったの、メールだよな?」
「例のメールか?」
クラスメートからの質問に対して新は即答せず、内ポケットからスマホを取り出す。
「うわわわわわ!」
スマホの画面を見て、新は恐怖のあまり絶叫した。