からあげ理論
とある学者が、驚愕の論文を発表した。
それは、世の中の全ての疑問は、からあげで解答できる、というものである。
なぜ、この学者がこのようなことを言い出したのか。
ある日、その学者はとあるビュッフェにやって来ていた。
そのビュッフェは一人6000円の2時間制限という、そこそこ高級な食べ放題であった。
テーブルには、見たことも無いようなシャレオツな料理が陳列し、さぞかし調理法も凝っているものと思われた。
学者は、それらを一つずつ皿に乗せ、最後にからあげを乗せてテーブルに戻ってきた。
(……うむ、美味なり)
それらの料理は、舌の上で旨みを炸裂させたが、学者は一つの結論に達した。
どんな料理も、ある一つのシンプルな調理法には叶わなかった。
結局、からあげ最強、である。
その翌日から、学者は持論が正しいのか、テストを開始した。
ある被験者(小学生)を使い、算数の問題を解いてもらった。
例えば、1+1=? の問題に対して、からあげ、と解答した場合、どうなるのか?
これを実践してもらった結果、三角であった。
しかし、子供だから可愛らしい、という意味での三角という解釈も出来た為、次は高校生に同じことをしてもらった。
やや難解な数式を用いた問題の答えが「からあげ」ならどうなるか。
もし、これで三角すら貰えないようなら、この理論は真っ向から否定されることとなる。
学者は、被験者を10人に増やし、実験を開始した。
すると、驚くべき結果が出た。
10人中9人はバツを付けられたのだが。一人だけ、クスリときた、という赤字の文字と共に、三角を付けられた生徒がいたのだ。
学者は、この解答に希望を見い出し、次のステップに進むことにした。
次は、世間の問題を、からあげで解決できるか、というものだ。
例えば、夫婦間で起きた夫の不倫問題。
「あなた、このキスマーク、一体誰のなの!?」
や、
「あなたと知らない人がホテルに入っていくの見たけど」
などと言った、答えに窮する問に関して。
これについては、からあげ、とそのまま解答すれば相手から平手打ちが飛んでくると予測出来るため、この様に答えれば良い。
「そんなもの、油で揚げて食っちまえ!」
これを立証するため、いよいよ学者自身が検証に乗り出した。
それから間もなくして、とあるアパートに、「からあげおじさん」と呼ばれるはた迷惑な人物が現れ、一瞬だけ話題に上り、消えていった。
おわり
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