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青春は出会いから

学園生活なんて案外退屈な物だ。

 代り映えのしない黒板と教師。

 古臭いインベーダゲームの敵ように増えていく黒板のチョークの跡は、黒板消しで撃沈されて次の問題へ。

 それが終わるとチャイムが鳴って次の授業へ。

 学生の生活は勉強の時間が大半を占め。

 繰り返される退屈で穏やかな日々

 そんな退屈でありふれた学園生活のカンフル剤的立ち位置が、クラブ活動や恋なんじゃないかと思う

 確かに学生時代でしか体験できないイベントや経験を上げたらキリがない。

 しかし、それにあぶれた連中はどこの学校にもいる物で。

 学生時代の思い出の温床、クラブ活動に参加していなかったり。 

 恋人どころか恋すらしていなかったり。

 正に青春の無駄遣いと言われても反論する弁を俺は持たない。

 誰だって青春したい。

 誰だって恋をしたい。

 これは多くの学生がどこかしら持っている気持ちだろう。

 恋人でもできれば、デート買い物に遊園地に映画館。

 彼女の両親に紹介してもらって、子煩悩な彼女の父親に無理難題を吹っ掛けられたり。

 青春なら、熱き血潮をたぎらせる様な強力なライバルたちの激闘。

 すこし、いや、かなりスケールダウンをする言い方をするなら何かに向かって精一杯の努力をしたり。

 青春なんて目標に向かって努力ができれば、全部青春のカテゴリに入れたって言いぐらいアバウトだ。

 青春の無駄遣いは大人になれば後悔しか残らないのかもしれない。

 時間は平等に有限であり体感で長くなったり短くなったりするだけだけど。

 時間は貴重な財産で、使い方を誤れば人生を棒に振る。

 そして俺はその財産を散財していたカテゴリの人間だ。

 クラブ活動に参加もせず。

 恋すらしない。

 する事と言えば友人との馬鹿話ばかり。

 そんな俺は何故が百八十度方向転換した真っ当な青春を謳歌することなった。

 その切っ掛けは中学を卒業して、思い切って都会の高校に進学を決めた事だろう。

 一人暮らしの為にアパートを借りた。

 父親の伝手で安く借りられるらしい。

 都会と言っても東京のように高層ビルが立ち並ぶものではないが、俺の地元に比べれば雲泥の差だ。

 なんせ駅前にカラオケ屋とアクセサリーショップがあるだけでカルチャーショックを受けたぐらいだ。

 俺の地元には、若い人間向けの店は酒屋と兼業の駄菓子屋ぐらいだ。

 当然年をとればとるほどお世話になる事は少なくなっていく。

 駄菓子か――久しぶりに食いたくなってきたな。

 都会の駄菓子。

 何故か魅かれる響きのフレーズだ。

 そしてまぁ、時間は流れ退屈な高校の始業式の校長の長話を右に流し、あまりに長いため何人かが倒れる。

 それでも校長は長く語る語る。

 まる一日さるぐつわでもかまされていた人間の様に校長の出るわ出るわ言葉が。

 結構な人間がバタンバタン倒れても話をそこまで続けたいのは全くの謎だが。

 無事に? 始業式は終了。

 倒れていった人々も回復してるだろうと適当に思いつつ。

 振り分けられた自分のクラスへ。

 クラスに入ると席順を記した紙が黒板に貼ってあり、それのクラスの人間はすんなり従う。

 不思議な事と言えば俺のいる窓より最後尾の席の左横の椅子に誰も座っていない事だろう。

 クラスの面々は不良や美人に相当する人間はおらず。

 安心感を抱きつつ少しがっかり。

 その両方は俺の田舎ではいない人種だからだ。

 そんな複雑な感情を抱いていると扉が聞きなれた音を立てて開かれ。

 いかにも体育会系といた面持ちの教師は担任の高田と名乗り、どこのクラスのお決まりともいえる自己紹介タイム。

 ほとんどの人が差しさわりのない自己紹介を述べ。

 そして俺の番になった時だ。

ガラガラと立て付けの悪さを自ら露呈した扉が開く。

 


 「おくれました」


 必然的に集まる視線。

 声の主は悪びれる様子もない。

 遠目から見てわかるほどの白い肌と銀に近い白髪が、ぶっきらぼうな彼女を飾る立てるようで。

 彼女は教室を見渡し一つだけ空いた俺の隣の席に視線を向けると無言で歩き出す。

 歩み寄ってくる彼女の瞳は兎のような赤瞳で。

 近くで見ると肌はきめ細かく病的に白い。

 銀よりの白髪は、さらさら。

 どうやら俺のがっかりは早かったらしい。

 これが彼女との出会い。

 刻まれた俺たちの青春の一ページ。


没にした作品の再利用。

中々成功作の技術の完全吸収ができず。

こいいう無意識的にできる物を意図的に

技術として使えるようにせなかんからムズイのやで

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