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秘めた想い

「――ごめんなさい」


 やっと絞り出した言の葉は行き先に迷うように空に舞い。

 弱弱しい言葉は空気にすくざま形を失い溶けていく。

 体はその言葉に反発するかのように小刻みに震える。

 彼の事が嫌いか好きかで言えば。

 好きだと言い切れる。

 むしろ大好きな人間の一人だ。

 好きになってはいけない。

 好きになってはいけないのに、私は彼が好きだ。

 ずっと隠し続けた私の気持ち。

 そんな彼が私に放った言葉は甘く切ない。

 その切ない気持ちになる彼の秘めた想いの言葉は、あり得たかもしれない二人の姿を私の脳内に提示する。

 それはとても甘い蜜月の光景。

 でもそれは、あり得ない。

 あり得てはいけないのだ。

 いくら彼好きでも、この気持ちは胸にしまわなければいけない。

 それがたとえ最高に嬉しい気持でも。

 相手が大好きな人でも。

 胸が切なさで痛くなっても。

 私は小刻みに震える両手を握り彼の目を見る。

 彼は少し残念な顔をみせながら、私の手を取った。

 これ以上は――ダメ。

 私がそう感じ彼の手をふりほどこうとする前に、彼は強引に私を抱き寄せる。

 胸の鼓動がやけにはっきり聞こえた。

 彼の胸に抱かれた私は彼の鼓動を聞き。

 彼は私という女を離すまいというつもりなのだろうか。

 強く強く私をその暖かい両手で抱く。

 もう戻れない。

 大好きな人にこんなことをされたら。

 胸の気持ちが押さえられない。

 ごめんなさい。

 ――子、貴方の大事な人。

 私――

 

ちょろい

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