血をください
朝といのは多くの人にとってあわただしい物だ。
いかに春の日差しが穏やかだろうと。
肌を小麦にやく灼熱の夏も。
栄養の詰まった食を生み出す実りの秋も。
冷気に耐え忍ぶ極寒の冬であろうとそれは例に漏れない。
仕事や学校の為に、朝早く起き。
着替えて新聞片手に朝食をとる。
ありふれた忙しい一日に始まり。
一部の者を除けばそれは共通だろう。
それほどまでに朝は忙しいし、せわしない。
おちおちしていたら学校や会社に遅れてしまう、そんな恐怖に似た考えもあるのかもしれない。
時間は今十時きっかり、完全に遅刻である。
では、なぜ焦らないかというのが普通だろう。
理由は簡単。
それどころではないからだ。
「――どのこの犬畜生めをどうにかしてください」
俺のさわやかな朝をぶち壊した。
張本人が助けを求めてくるが、無視を決め込む。
飼い犬に溶けるまで舐め回せれるがいい。
「ほんと勘弁してください。犬のよだれも水分の一つなので、肌がぴりぴりしてきたのですが――」
しらんがなそんなこと、大体犬程度にやられるのが悪い。
視線を外し、トーストをパクリ。
香ばしく焼けた食パンとバターは鉄板だな。
「頼みます。――どの私には使命が」
「黙れ。自称吸血鬼、俺の股間の血が必要ってどんなプレイだ」
「ホントなんです。貴方の〇ニスの血は魔界を救うんです」
はっきり言おうとんだ変態女である。
何で魔界を俺の〇んこの血で救えるか知らんが、そんなことを恥ずかしげもなくいう変態女に自分のモノをさらす趣味はない。
こいつとの出会いは僅か2時間前ほどにさかのぼる。
インターホンが鳴りいきなりドアを開けたら俺の〇んこの血をください。などとほざく。
最悪のファーストコンタクトである。
その後の交渉も最悪で対価に〇ナホ、媚薬、精力剤、エロ本。
全て魔界産だとこいつは言うが胡散臭すぎるラインアップと商品説明に、いやけがさす。
それを救ってくれたのが飼い犬のコロだった。
コロは何故かこいつをいたく気に入いったのか、一目見ると飛びつき今に至るまで舐め回している。
知らなかった吸血鬼の肌って犬好みなんだな。
まぁこいつの話は信じてはいないがな。
どうせそこいらの中二病をこじらせた女だろう。
「じゃあ警察呼ぶからおとなしくしてろよ」
「それだけはやめてください! 人間の権力者には知られちゃダメなんです」
前半の無理やり感払拭できず。




