闇の牢獄
剣先は霞、放った斬撃は幻を切る。
これで何回目だ……。
繰り返される同じ光景。
目の前の敵対者は幻影を纏い。
攻撃は幻影を切り裂くだけ。
すでのかなりの時間が立ったはずだ。
目を凝らし、辺りを包む闇を見つめても靄の端すらつかめない。
俺を包む闇は増々濃度を増して、薄い粘着質の液体のように体の節々に絡みつく。
闇の帳は深淵の如く深く。
全てを闇に包もうとする。
闇に沈もうとする眼前には、敵対者がかわるがわる現れ。
各々の武器を振う。
全て同じ闇人形。
手にもつ獲物は闇で。
それでも、俺が刃を置く理由にはならず。
闇を切り裂く。
終わりなき苦行。
きっとあいつらが。
一抹の希望を手に俺は――。
「どうだ、闇の牢獄に囚われた人間は」
「先生、中の人間は自分が死んでいて、心の中を覗かれているとしているのですか?」
「気づいてはおらんよ。よく見ておきなさい。これが魔王様にたてついた者の末路じゃ」
寒気が走りごくりと唾を飲み込んだ。
「永劫の闇に囚われたくないなら、良い働きをする事じゃぞ」
様々なシーンを書けば書くほど見えてくる。
アラを潰すそんな勉強。




