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壁ドン
「ようはそれだけ? どいて邪魔よ」
「待てよ」
俺は後ろの壁に片手をつき進路をふさぐ。
――は俺を睨み。
その腕に細い指先を沿わせるように掴む。
彼女の指は肉付きは薄く華奢な指の感触がした。
「何まだ、なにかよう」
不機嫌な彼女の声に俺は呆れて声を返した。
「お前状況分かってんか?」
「私の目の前にこれ見よがしに壁ドンした痛い男がいるだけね」
そうくるか。
「お前な……これやめようぜ。俺ちょっと意味が分からん」
「何いってのよ。ちょっときゅんとしてたのに」
全く持って女子の胸キュン願望は闇が深い。
もうちょっと地の文肉付けだな。




