獣の少女1
書きたかっただけですので、このお話を飛ばしても大した影響はありません
少女は生まれつき片足が不自由であった。日々の生活では杖を持つのが当たり前で、医者からは流行り病とも言われた
原因は不明だが、生まれつき体のどこかを悪くした子供が生まれているそうで少女も同じであると判断されたのだ。
「その足を動かせる可能性がある」
そう説明するのは国から派遣されたという医者を名乗る男。
「方法を確立させるための被験者が必要」
それはうまくいかないかもしれないと告げている
「より多く協力を得られれば、将来もっと多くの人を救える」
熱心に語る男に親は心を動かされた
「少ないですが、謝礼もあります」
出されたお金は家族が二月は過ごせるだけの額がある。
「どうでしょう?」
どうしても人数を集めたいという意志とは裏腹に男は決断を急がせる事はしない
「ありがとうございます!」
男は深々と頭を下げる。一番の決め手はお金だったように思う。今となってはあまり関係の無い話ではあるが…
男に連れられてきた実験施設は酷いものであった。寝床は石畳、食事は1日パン一つ、檻に入れられ順番を待つ
「来い」
引き摺られるように連れ出される同室の子供。後に聞こえる悲鳴に、自分の番が来ることを恐怖する。人が減ったと思えばすぐに新しい人が連れてこられる
「今日はお前だな、こい」
連れ出された少女は床に描かれた模様の中央に縛り付けられる
「さて、次こそは成功させねばな!」
指揮をとるのはまるまると太った男。豪華に着飾ることで優越感を得ているらしい
彼が何かを唱えると床の模様が光り始める。それと同時に全身が痛み出す
光が収まるまで、その苦痛は続いた
「む?失敗…では無いか?こやつを調べよ」
意識を失う前に何かを言われたきがするが、はっきりと覚えることは出来なかった
次に目が覚めた時、目には何かを巻かれていた。手足を鎖で繋がれているらしかったが、動かない方の足に確かな感触があった。おそらく地に足をつけて歩き回れる、そんな気がするのだ
何日たったのであろうか?時折連れ出されるような感覚を覚えるが意識ははっきりとしない。何か本能的な行動があるような不思議な充実感に満たされている時がある。
吠えている。何故かはわからないが大きな声を出している。
美味しい。噛むほどに味が染み渡る。いつぶりだろうか?まともな物を食べたのは。
今がいつで何時かはわからない。ずっといた気もするが来てからあまり時間が経っていない気もする。今日もまた眠くなってきた
暖かい。なんだか凄く気持ちいい。今なら何でもできる気がする。この手足に付いた鎖すら簡単に取れそうだ。うん、やっぱり簡単だった。久しぶりに太陽が見てみたい。大きな声で叫ぶんだ。そうしたらきっともっと気持ちいい。
美味しい。なんだろう?でもいいや。お腹は膨れるんだから。
誰かが来た?外に連れていってくれるのかな?それとも、遊んでくれるのかな?ねぇ、あなたはだあれ?
楽しかった。遊んでくれた
優しかった。痛い目に合わせる奴とは違う
なんだか、とても、落ち着くんだ。抱き寄せられるのはいつぶりだろう?少しだけ、眠ってもいいのかな?
また、遊んでくれると、いいなって…思うんだ…




