エルフの村にて
エルフの村というのは、町というよりは集落のように感じられた
「村に入るが、できる限り穏便に頼む」
優希達は取り囲まれる形で歩いていた。
「隊長、お疲れ様です。その者は?」
木の上にいた細身の、おそらくは門番的な男が飛び降りて集団の前に立つ
「客人だ。長老は何をしている?」
「今は瞑想をされているかと」
「彼らは私が連れていく。お前達は警備に戻れ」
「「はっ」」
優希とリリーを含む3人で歩いていると隊長が振り返らずに話しかけてきた
「リルドを助けてくれてありがとう。アイツは俺と比べられる事が多くてな、目に見える手柄が欲しがってたんだ」
「兄弟、なんですか?」
「異母ではあるが…一応な」
そう言って彼は立ち止まり振り返る
「俺はウェルドだ。諸君らの名前はなんだね?」
「優希とリリーです」腰を気持ち引き寄せながらに答える
あれ?リリーってこんなに背が高かったかな?もう少し低かったような…
「それじゃあ長老の所へ案内するわけだけれども、あまり騒がないようにたのむよ?」
口元に指を置いて微笑む姿は様になっている。これがイケメンの特権というものなのか…
ウェルド氏に連れられて訪れたのは小屋のような建物だ。大きさは5m四方程に見える
「長老、ウェルドです。客人を連れてきました」
ノックをしながら声をかけると、中からはいれと声がした
「ようこそおいでくださいました」
小屋の中で正座しているのはこれまた尖った耳の老人だ。まるで仙人のようなあごひげをはやして、僧侶のような縫い目の見えない服を身にまとっている
「ち、長老!?」
「そちらの御方は神の遣いじゃて」
リリーを示しながら長老と呼ばれた老人は深々とお辞儀をする
「私の受けた命は彼と共に行動する事であり、訪れたのは偶然です。間違いなきよう」
「偶然とは必然でもあります故…我ら一族はあなた様方に最大限の協力を致す事を誓います」
「元より長居するつもりはありませんが、いくつかの願いがあります」
「何なりと」
「まず、黒の木の種子を融通していただきたい。量は多い方が良いので定期的に買い付けることも考えています。それともう一つ。来る終焉を超える為、より一層の鍛錬を」
「承りました。後程そこの者に案内を。鍛錬とは具体的にどのように?」
「後程指導のできるものを連れてきますのでそのように」
「他にはございますかな?」
「おそらく昼には旅立つ事になります」
「左様ですか。どうぞそれまではごゆるりとなさってくださいませ」
ちなみに、小屋の外で待っていたのは深緑の髪をポニーテールにまとめた少女、チュリンである




