エルフと呼ばれた人達と
「彼は殺意を持って攻撃をして来た。返り討ちに合う事も想定していたのでは?」
「非礼は詫びよう。だが彼は見習いでね。まだ死んで欲しくはないんだ」
「まぁいいでしょう」
リリーはリルドの襟を掴むと空中に放り投げた
「まもなくですね。ぽち」
「わふんっ!」
リリーが名を呼ぶと元気に声を上げてぽちが本来の姿に戻る
当然周囲の男達はザワザワと敵意を顕にする
「命を助けてもらった事には感謝するが、敵対するのであれば手加減はしないぞ?」
リルドを介抱しながらリーダー的な男が警戒感を強める
「危害は加えませんよ、あなたがたには」
「なに?」
男が答えるのと悲鳴が上がるのはほぼ同じであった
取り囲んでいた男達は地面に倒れ背中を黒き魔物に踏まれていたのである
「なにっ!まさか」
慌てて対応しようとした男の足に爪がかけられ、バランスを崩した所へ別の狼がのしかかる
「へぇ、これがダークウルフか」
「お、お前達はまさか!」
「ばふん」
男の声を妨げるようにぽちがひと鳴き唸るように吠えた。すると男達を踏んでいたダークウルフ達はそろそろと足を外し地面に伏せる
「えっぽちってそんなに強いの?」
「この大陸で言えばウルフ種の頂点ですよ?」
知らなかった…便利な移動手段としか考えてなかった!!
「わふをふほわぉーん」
ぽちがさらに吠えると闇に溶け込むような深い黒色の狼達が続々と現れる
「さて、この子達も回収してしまいましょう」
リリーが人が通れるほどの門を作りぽちが吠えると、ダークウルフ達は続々と門をくぐりダンジョンへと入っていく
「ぽち、彼らの教育は任せます」
わぉふっとひと鳴きした後に、ぽちは最後の狼のあとを追いかけてダンジョンへと入っていった
「では…まったく、不意打ちにすら対応出来ないとはどういう事なんですか!」
見回したリリーが足を怪我した男達に文句を言う
「リルドはともかく、状況をわかってなかったんだから仕方ないさ」
「目の前の事にしか注意を払えないようでは」
ブツブツと文句を言うリリーを無視して彼らに魔法をかけて回る
「さぁ、早く案内して頂きましょうか」
「えっと、どこにだい?」この場で終わるような話じゃないの?
「勿論、彼らの本拠地にいる長老と話をつけにですよ」
必要のなくなった門を片付けながらリリーは歩き始める
「その感じだと場所も知ってるようだね」
リーダー的な彼は立ち上がり近寄って来る
「隊長!まだ安全と決まったわけでは」
「お前達ではどうあっても勝てないさ。それくらいは判断できるようになれ」
「しかし」
「じゃあお前はダークウルフがまた現れたとき、全てを対処できるか?」
「それは…」
「今の最善は相手を怒らせない事だ。わかったら弓をおろせ」
渋々男達は武器を片付ける
「では、案内をお願いします」
「承りました、お客様」
両足を揃え手を体側にあて九十度のお辞儀を決める姿は、どこかでみたようななんとも言えぬものだった
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