移動の前に
今回はきっちりと投稿完了します(決意)
昼食の後、パメラに後のことを任せ優希達は鍛冶屋をあとにした
「ユーキ様。ひとつお尋ねしたいことがございます」
「どうしたの?急に改まって」
「ユーキ様はどのようなダンジョンを作りたいですか?」
「どんな?うーん…どんなと言われてもなぁ」
「目標といいますか、方向性の話です」
「うむむ…どんなものを作りたいか…まずは人が死なない方がいいかなぁ?」
「冒険者が死なない、ですか?」
「うん。どんなに考えても来るもの全てを殺してしまうようなものにはしたくないかなって」
「腕試しの場所、ということですか?」
「いいね、それ。闘技場みたいな迷宮って新しくない?」
「闘技場…ですか」
「人は死んだらそれまでだけどさ、強くなってまた来てくれるようなら繰り返し魔素も集められるんじゃないかな?」
「ですが、強い魔物との戦闘では命を落とすこともありますよね?」
「そう、そこが問題なんだよ。魔法でなんとかできればいいなとは思うんだけど死んでしまうことを取り消すような事って出来ないよね?」
「…でき…ませんね」
「どうして視線を逸らすのかな?」
「いえ、理由はございません」
「ほら、僕の目を見て言ってご覧?」
優希はリリーの顔を両手で支えて顔を近づける
「あの…その…」
「できるの?できないの?」
「……できます」
「できるの!?」
「その…はい…できなくは…ないです…」
「詳しく聞かせてもらおうか?」
「少し、長くななりますよ?」
「まずは何が出来るのか。確認しておきたいからね」
そうして始まった優希についての説明は夜まで続いた
「めーがみさまーー!緊急ですー!」
何もなく、狭くもなく広くもない。ぼんやりとしたまどろみの世界に天使の声が響いている
「説明を」
もとよりその世界にいた1人の女性は報告の先を促した
「藤堂優希の補佐が世界の理を伝えたとの連絡です!」
「内容は?」
「藤堂優希本人の能力値及び標的と目標を伝えたようです」
「ずいぶんと…思い切ったことをしてくれたわね…」
「どど、どうしましょう!?」
「もとより予定は前倒しでしたので仕方の無いことです。直接話をする必要がありますから、そのように準備を」
「かしこまりましたですー!」
天使は騒がしく飛び去った
「思うままには進みませんか…」
女神の表情は険しいものとなっていた
世界の端の薄暗き場所、そこに一つの産声が上がる。
それは祝福を受けし者。生まれ持っての王者の素質。
それは異常を含みし者。死してなお歩みを止めない異端の素質。
それは欲望の強き者。本能の赴くままに拳を振り上げる。
それは、世界を駆け巡る絶望の象徴
だが、今はまだ、幼き赤子である




