ねぎらい
投稿完了を押し忘れるというていたらく
どこが遠くを見ているような倉本さんが、ふらふらとおぼつかない足取りで配膳の終わった食卓に訪れたのは昼過ぎの事だ。
「あぁ…うぅ…」
「だ、大丈夫ですか?」
「御心配なさらず、少し天国を見ているだけですから」
「まずいやつだよね!?」
あわわてて肩を叩くとびくりと震えた後、焦点を合わせないままに
「先代が…来るなと…」
「ぎりぎり!まだ生きてるよ!」
倉本さんに目を合わせながら声をかける
「お、おれは今まで…」
「もういい、もういいんです!ご飯食べてゆっくりと休みましょう!」
「おいちゃん!早く食べよ!」
子供たちもまちきれないようにみえる
「で、どこまでやったの?」
「もちろん貫いて達するまでは」
「ストーーーーップ!そういうことじゃないことくらいわかってるよね!!」子供の目もあるんだから!発言には気をつけて!
「1通りは伝え終わりました。あとは任せて大丈夫です」
「じゃあ午後からはもう留まる理由は無いんだよね?」
「はい。いつでも出発できます」
「にーちゃーん!ご飯冷めちゃーう!」
「あぁごめんごめん。さ、倉本さんも早く座ってください」
「これは…どうしたんだ?」
「作ったんですよ、みんなで」
「僕らも手伝ったんだよ〜!」
「いや作るのはいいんだがよ、材料はこんなに無かったろ?」
「あぁ、もちろん買い足したんですよ」
「そいつは…悪いことをしたな」
「いえ、早く刀を作っていただきたいだけですから」
「できる限り…頑張るさ…」
どこか遠い目をした倉本さんは力なく答える。大丈夫…なの?
「かくして、優希は少年達の胃袋を掴むことに成功したのであった」
「間違ってはいないんだろうが…それは捏造ってもんじゃねぇのか?」
野暮なことは言わなくていいんです。そんな雰囲気が出ればそれで満足なんです
「でも、美味しかったんですよね?」
「そりゃあ、まぁ、文句のつけ所がねぇくらいにはな」
「美味しいって一言言うだけで喜ぶ子供たちもいるんですよ?」
見渡すと少年達は倉本さんのほうをじっと見ている
「お、おう?」
「ほら、言うことはひとつしかないでしょう?」
少年達と同じく、優希は倉本さんを見つめる
「すごく、美味しかったさ」
その一言で少年少女は声を上げて喜ぶ
「どうです?こういうのも悪くないでしょう?」
「悪くは無いが…むず痒いな…」
「素直に喜べばいいんですよ。さ、早く食べてしまいましょう。おかずがなくなりますよ?」
見ると少年達は次々に大皿の料理を食べ進んでいる
「待て!俺の分も残しておけ!!」
慌てて倉本さんは箸を進める
「さて、自分も食べますか」
この日の食卓はとても賑やかなものでした
遅くなり申した




