料理は楽しく
「ここが台所だよ!」
案内された場所はまるで日本家屋のような設備が整っていた。
「これは…すごいな…」
ご飯を炊くであろうかまどや流し台など、丁寧に使い古された台所が料理に対する熱意を感じさせる
「水はどこで汲んでる?」
そう質問した優希は裏庭にある手漕ぎの井戸へと案内された
「いっつも倉本さんはこれらを使ってるんだよね?」
「うん!おじさんの作るご飯は美味しいんだよ!」
元気のいい答えだ
「みんなは手伝ったりはしてる?」
「したごしらえとか、やってます」
「仕上げはおじさんだけど何もしないと働かないものにはやらないーって本気で言うんだよ!」
「食材とかはどこに?」
「こっち!」
優希は少年少女に代わる代わる引かれながら料理に必要なものを確認していった
「さて、それじゃあみんなで美味しいご飯を作って倉本のおじちゃんを驚かしてやろー!」
「「「おー」」」
こうして1人の刀鍛冶が特訓をしている裏で、世話をされている少年達の恩返しプロジェクトが開始されたのである
「お米も流通してるのか。知らなかった」
「おじさんの故郷で作ってるんだって!」
「それって東の方かな?」
「うん!」
もしかすると東の国というのは日本的な国なのかな?それか日本人が何度も訪れて知識を置いていったか…
「にいちゃん!つぎはどうするの!?」
「おっとごめん。つぎはその鍋に入れて煮込むんだ。火を大きくしてくれるかな?」
「了解です!」
少年がぴしりと敬礼をして作業に取り掛かる
その敬礼も倉本さんが教えたんだろうかね?
ガシャーンと大きな音が響き渡る
「ごっ、ごめんなさいっ!!」
ユウと呼ばれていた女の子が無理をしようとして落としてしまったようだ。慌てて拾い集めようとする少女を立ち上がらせ怪我がないか確認する
「ひっ、拾わないと…」
「まずは怪我しないことが優先だよ」
魔法で簡単に元通りになるからね
「大きな音がしたけど大丈夫?」
外にいた子にも音は聞こえていたらしく覗きにきた
「お皿を落としてしまっただけだよ」
子供たちにを下がらせるとパチンと指をならし食器の欠片をすべて拾い集める
「いいかい?これは秘密だよ?」
口元に指を置いて割れた器を元の形に変形させくっつける
「これで元通り、だね」
「あ、ありがとう、ございます?」
お皿が宙を舞う光景に状況がつかめない女の子に数を減らした器を渡す
「じゃあこれを並べておいてくれるかな?」
残りの器は小さな雲を作りその上に乗せて少女の後を追いかけさせる
「さぁ、戻った戻った。早くしないと倉本さんが戻ってきちゃうからね!」
できた物も魔法で運んでしまおう。きっとその方が楽しくなるよね?




