妖精さんのいるところ
「なんで僕はたかられているんだろうね?」
ピリピリリと声のようなものを出しながらつついたり引っ張ったり揉んだりしている妖精達にどうしたものかと混乱しながらもされるがままになっている優希。
「そもそも精霊とは属性に意志が宿ったものとされています。そして魔素を取り込み実体化したものが妖精の定義なのですが、サンディの魔力に当てられて実体を持つに至ったことでとても不安定な状態でして。しばらくは魔素の多い空間で過ごすか他人から魔力を貰わないと実体ごと消滅してしまうんです」
「それはつまり僕の魔力をあげてるってこと?」
張り付いていた妖精がひとりまたひとりと、ふらふらと飛びだして姿が少しづつ見えるようになっていく優希
「吸われてますが微々たるものです」
「どれくらいで安定するようになるの?」
「二日もあれば十分かと」
「このピリピリなってるのは声ってことでいいのかな?」
「この耳飾りを付けてください。それがあれば聞こえるようになります」
手早く耳飾りを作ったリリーが優希に手渡す
「これを耳に?」
妖精の羽をかたどったおしゃれな感じの飾りを耳に被せると
「もちもちー!」「やわらかーい!」「なにこれー!」「ふぁぉ…」「わーわー!」
途端に小さな声が大量に聞こえるようになる
「意思を持つとはいえ精神年齢は低めなので子供のような行動原理を持っています」
「なるほど。それで僕は弄ばれてるわけだね?」
妖精たちが優希から離れその姿が現れてくる頃には服は乱れ髪型も揉まれたような姿となっていた
「上位の存在の魔力を取り込むと、酔ったような反応を示すことがありまして、離れていった者達がそうですね」
「それでフラフラとしてるんですね」
少しだけ疲れたような顔で優希が告げる
「ところで。まだ僕は前菜を食べていないのだけど?」
見るとリリーの目の前にはメインと思われるほぼ食べられた肉料理のお皿が置いてある」
「どうぞ、食べてください?誰も止めませんよ?」
そういうことではないんだけれどね?
その後は舌鼓を打ちながら本格的なコース料理を消化していった
「ずいぶんと手の込んだ夕食だっけどずっとこんな感じになるの?」
デザートまで食べ満足感に満たされた優希は隣でデザートを追加で食べているリリーに問いかけた
「はい。そのためにサンディを料理ができるように仕込みました」
この料理はリリー考案でしたか
「この屋敷の事だけどわざわざ買う必要ってあったの?」
「今後のために抑えておいて損は無いかと思いました。立地もよいので喫茶店に出来ますよ?」
「まさかそう簡単に夢を叶えられるってのは思ってなかったなぁ」
「既にダンジョンとして屋敷を取り込んであるので間取りを変えることも容易ですから、理想のものを作り上げることができます」
「リリーは優秀だね?」
優秀過ぎて怖いよ
「ですから、その代わりと言ってはなんですが…」
食べ終わりフォークを置いたリリーが俯きがちにこちらを見てもじもじとしはじめる
すごーく変な予感出てきたよ?
「私達を可愛がってくださいね!」
リリーが指すのは1人だけではなく、少女達全てのことであった




