夕食の頃
「捕まえられるものなの?」
砂亀とは砂漠の砂が亀のような形になった物と言っていたけれど?
「その方法も確認しました」
「そ、そう…なんだ」
「さて。お金の話をしましょうか?」
「そうだお金。どこから調達したのさ?」
「生み出しました」
リリーの答えは単純明快だった
「生み出した!?」
偽造硬貨!?
「ダンジョン内では魔物や道具といった様々な物を魔素と引換に生み出すことができます。つまり物々交換みたいなものです」
「でもそれじゃぁダンジョン内の魔素を消費するんでしょ?」
「えぇ。なので彼にひたすら魔法を使わせて魔素を回収したんです」
リリーが指さしたのは奥の部屋から出てきたサンディだ
「夕食のご用意が整いました」
「すぐに向かいます。他にもダンジョン内部に入れたものなら生きたものを除いて魔素に変換吸収できるので各地で回収した廃材等も利用しています」
「各地?」
「王都内の、です。」
「いつ回ったのさ?そんな時間無かったように思うんだけど」
「その前に食事にしましょう!食べながらでも説明はできますから!」
強引に話を切り上げ優希の背を押しながらリリーは食堂へと向かう
食堂の中央には丸いテーブルがありセッティングがなされていた
「えらく本格的な準備がしてあるね?」
高級レストランであるようにナプキンが飾られている。その周りにはフォークやナイフがきっちりと並べられている
椅子に座るのもサンディの補助付きだ
「前菜になります」
ナプキンを膝に載せると横から女性の声がする
「あぁ、どう…も?」
そこにいたのはリリーそっくりな顔をしたメイドさんがいた。違うのは髪に赤いメッシュが入っていて瞳の色も燃えるような赤色であることだろう
隣に座っている少女と見比べてもその顔の作りはほぼほぼおなじだ
「ご紹介します。私の子供たちです」
「子供?!」
「冗談ですが」
「あっうんそれはわかるけどよくわからないよ」
「私の一部をベースに精身体を作りそこに精霊を混ぜたのが彼女達です」
先ほどの少女が来た方を見ると赤、青、黄、緑、茶、白、黒の7人の少女が並んでいる。服装は統一されたメイド服だが、顔の印象はそれぞれで微妙に違う
「精霊?」
「サンディの寝床に捕らえられていた者達ですが、少々衰弱しておりまして…器に入れる事で寿命を伸ばしたのです」
「その子達に街中を歩き回らせたんだ?」
「ええ。ひととおりの魔法は使えるのですが元の属性もありますので色と同じ属性に強い適性があります」
「精霊ってそれぞれが七つの属性の中のどれかを持ってるの?」
「いえ、その中でも危険と判断された者達がちょうど7色だっただけで、濃淡や微妙な違いがあったりもします」
「じゃあほかの子達は?どうなったの?」
「…見ますか?」
「気にはなるんだけども?」
なにかを匂わせるような言い方だ
リリーがパチンと指を鳴らすと玄関ホール側の扉が開かれ、そこからたくさんの小人が入ってきた
それぞれが何らかの色の羽を持ち自由に飛び回る。大きさは手に収まるほどのサイズだが50近い数の妖精が優希の周りを取り囲むように集まり…あっという間に妖精に埋め尽くされ優希の姿は見えなくなってしまったのであった




