ほぼわんこ
裏手の倉庫のような作業場には作りかけのものや箱詰めされたものなどが置いてあった
「で、こいつが問題の品って訳だ」
隅にある他とは一風変わった鞍の前でおっちゃんがそう言って広げて見せた
「多少の体格の違いなら対応できるようにしてあるんだ」
胸を張って説明をしてくれる細マッチョ
「無駄に技術力は上がってるからタチが悪いんだよお前は」
「目的は最高のエネルギーだからね」
そうしてまたおっさんにしばかれる
「ふん?ちょうどいいんじゃない?」
リリーに訪ねてみる
「そうですね…これならそのまま使っても大丈夫そうですね」
「なんだあんたら…本気でこれを使うつもりか?」
「ほらみろ!やっぱり使う人はいるんだよ!」
「てめぇは黙ってな」
何度目かのゲンコツが振り下ろされる
「試してみても?」
リリーが質問する。って、ためすの?今?
「いや、別に試すのは構わんのだがその載せる相手はどこにいるんだ?」
「ココに。」
微笑んだリリーの足元からゆっくりと体長2mほどの銀の毛並みが美しい狼、サイズ以外はほぼ日本狼が現れた
「!?」
おっちゃんとスリムな若者は飛ぶように距離をとった
「これいつ作ったの?」
「サンプルはありましたから。馬か狼と聞いた時から調整をしていました」
「そっか。やっぱりリリーは優秀だね」
御褒美に撫で回す
「いやいやいや!!お前さんら!そいつはペットにできるようなもんじゃねぇだろ!」
物陰に隠れながらおっさんが声を上げる
グルグルと喉を鳴らしながら狼はおっさんの方を見ている
「えっと?何かロックおんしてるみたいだけど?」
「良し!」
言うやいなや狼はおっさんへと飛びかかる
「え、それはまずいんじゃないの?!」
「ヒイィィィ!!」
止めるまもなくおっさんの前に降り立つと狼はおっさんを舐めまわし始めた
「性格は人懐っこいです!」
「先に言っておいてあげよう?!」
あぁあぁおっさんが唾液でベトベト…
「唾液とかも出るの?」
「ほぼ水なのでほうっておけば乾きます」
配慮はされてるのか
「で、これはどうつければいいの?」
「ひ、広げて被せたら固定して終わりだよ」
物陰に隠れながらではあるが制作者の若者が教えてくれる
「そう。じゃあえっと…名前は?」
「ポチです」
「ずいぶんと犬っぽいね?」
「可愛いでしょう?」
否定はしないけどもさ
「ぽち、おいで?」
おっさんを舐めるのをやめてぽちが尻尾を振り乱しながら寄ってくる
「伏せ!」
伏せて低くなった背に被せると丁度いい大きさだった
「あとは固定してと…」
最後に乗り心地を確認したいんだけどどうしよう?




