無限の胃袋
「中央に並んだ10個のグラス。これにサクランの身をいれて酒を入れる。交互に飲み干し倒れた方が負けだ!勝てば全取り!魔道具付きだ!異論はないな?」
ショットグラスにサクランの実を入れたものが並んでいてふたりがそれを挟んで向かい合っている
「無いみてぇだな?じゃあ始めるぜ!先行は嬢ちゃん。賭けは飲み始めたら締め切るぜ!」
「ドンに50!」「男に二十!」
聞こえる声はほぼドンと呼ばれている男が優勢のようで、賭けにすらなっていない
「ならリリーに二千」
手元にあるほぼ全てをかける。これくらいはイイよね?
そして賭けは締め切られ飲み比べが開始されたのだ!
「ハッハッハッ!圧勝じゃねぇか!」
開幕から相手が飲み干すと同時に次のグラスを取り流し込むというスピード勝負をしかけ、次々に挑戦者を下していったリリー。リリーの演技により騙された男達が次々に挑み、そして敗れていったのだった
昼に始まった飲み比べではあるが時間とともにギャラリーは増え挑戦者も途切れず、気づけば日は沈みますます人が集まってきた
「終わるんです?これ」
仕事終わりな人達も増え列が途切れることなく続くので心配になって聞いてみた
「いやぁ…今のヤツも倒れる前に辞めてんだろ?勝負したいってよりは嬢ちゃんと飲みたいって奴の方が多くてなぁ…」
「賭けも回らなくなってますしねぇ」
「ギルドにも行かなきゃならんし、終わらせるかね」
パンパンと手を叩いて注目を集めるとクラウスさんは飲み比べの終を告げる
「女の子と飲みてぇだけならさっさと抜けてくれ。時間の都合もあるんだ、これ以上ダラダラ続くようなら受付を締め切るぞ」
その一言に列から抜けた男達がリリーの元へと近寄る
「あー、やっぱこうなりますか」
「そんだけ人気ってことだろうがな…嬢ちゃんが機嫌を損ねなきゃいいんだが」
囲まれたリリーは迷惑そうな顔をしてる
「後で好きに甘えさせてあげますかねぇ?」
とりあえずは今この場をなんとかしないと
「よし!じゃあこれで終わりだな!」
列がなくなり相手が倒れたことを確認してクラウスが呟くと一団がリリーへとさらに近寄り…見失った
「位置バグ使った?」
スルスルと人垣から抜け出すと優希に抱きついたリリー
「便利でした」
やっぱり使ったんだね。でもちょっと違わない?
「触りたくないものにも触らないように改良しました」
なにそれ超便利。後で教えてね?
「ハッハッハ!じゃあもうお開きだ!ほら散った散った!」
少し悔しそうにする者達をクラウスさんが散らしていく
さて。それでは会計済ませてギルドへいきましようかね




