とらんすふぉーむしたんだね
膝に乗った少女を抱えて椅子から降ろすと改めて見下ろしてみた
髪はショートでふんわりと丸まっておりかわいらしい顔立ちをしていて、メイド服のようなフリルのついた洋服でふんわりとした可愛さがよくにあっている。
「どうかされましたか?」
うん、口は動いていないのに声はでるんだね
「君の名前は?」
「携帯端末と呼ばれておりました」
それ名前じゃないよね?!
「ってことはまだ名付けがすんでないってことかな?」
「なんとでもお呼びください」
うーむ。名前をつけろと言われても早々浮かばないよなぁ…
どうするべきか
「リリーとかどう?」
ありそうな名前を適当に言ってみる
「ありきたりな名前ですね」
酷い!確かに深く考えてないけども!!
まぁでもいいか深く考えるのはやめよう。それで決定だ
次は何をすればいいんだろうな?まだ異世界らしさを経験してないし早く外の世界を見てみたいんだけど出た瞬間襲われたら身を守ることなんて出来ないし
「じゃあ次は魔法の使い方でもしらべようかな?」
「魔法の使い方に関する資料が見つかりました。参照しますか?」
元は説明書だしちゃんと入ってるんだね
「頼むよ。でもどうすんの?説明してくれるの?」
「しゃがんでいただけますか?」
言われるまましゃがむとリリーは腕を伸ばし顔を抱えるように引き寄せるとおでこを合わせた。
「なに、これ」
言葉にしにくいのだがおでこをくっつけたとたんに脳内に情報が流れ込む。元々持っていたかのように自然と溶け込んでくるのだ
「なるほど…そうやってうつせるんだ」
「どうぞ、お試しください」
リリーが腕を下ろしそっと下がる。まずは魔力を感じるところからだね
立ち上がり振り向いて目を閉じる。お腹の辺りに意識を集中させぼんやりと暖かいものを見つけ引き伸ばすイメージ
次に体の中を巡らせるように血と一緒に流れてまた戻ってくるのをイメージする。なれてきたら少しずつ量を増やし速度をあげてゆく
寝起きにやるとからだが暖まりそうだね、なんて考えていると背後から強い視線を感じた気がした。きっと気のせい
さて、体内を廻すのに慣れたら次は体外に出してみる。体のまわりを漂わせる感覚だ。
少しずつ範囲を広げていく。ここまでできればあとはイメージを形にするだけだ