若返りの魔法
「一体何をしたら老人が若者になるんだ?」
クラウスさんの言う通りだ。三十位若返ってるんでない?
「魔法に制限はないとお教えしただけですよ?あの姿は魂の状態に近づけただけです」
「魂が若返ったの?」
「そもそも魔力と精神は深い繋がりがあります。長く魔法を使うと精神が強化され結果的に寿命が伸びるんです」
「つまりあれは鍛えられた結果だと?」
「魔法を極めていればあと100年は生きるでしょうね」
へぇー魔法ってすごいんだね
「他人事では無いですよ?」
「えっ?」
「ユーキ様は何もしなくてもその倍は生きられます」
「はじめてきいたよ!?」
「人間卒業おめでとうございます!」
「嬉しくない!」
「そんな…私と一緒にいるのはそんなに嫌ですか?」
涙ぐみながらリリーが優希を見上げる
「あ、いや、そういうわけじゃないんだけど」
うっかりそれを見てしまい動揺してしまう
「夫婦ゲンカはそのへんにしてもらえるか?」
「いやこれは」否定しようにもうまい返しが思いつかない
その横では夫婦だなんてと呟きながら、頬に手を当て体をくねらせている
「メドロム、で良いのか?」
「えぇ、陛下」
「詳しくは聞くまい。貴族連合が帝国に侵されているようだ。頼めるか?」
「承りました、陛下」
兵士からロープを奪うとてきぱきと縛り上げる
「それでは場内の不届き者を制圧してまいります」
メドロムさんは丁寧にお辞儀するとフェニールたちを引きずりながら城内へと入っていった
「この者達も、決して弱い訳では無いのだがな」
ヒューリー国王様が足元に転がる者達を見ながら悔しそうに呟く
近衛兵が弱くては王を守りきれないだろう
「そうだ忘れるところでした」
優希が手を叩くと近衛兵たちが目を覚まし立ち上がる
「ひぇっ」
見渡すと血のあとが消え近衛兵たちにはキズ一つない
「生き返った…のか?」
「いぇいぇ。はじめから切られて無かったんですよ」
「でも確かに切られてたじゃないか」
「あぁ、それはこの剣に細工しまして」
足元に転がるフェニールが持っていた細剣を拾い上げて説明する
「演劇の剣とでも呼びますかね?刀身のない剣を刀身があるように見せる魔法がかけてあるんですよ」
刀身に手を通して見せる
「…お前といると驚かされてばっかりだな」
呆れたような顔でクラウスさんがぼやく
「面白い奴を見つけたな」
王様が話しかける
「この場合見つけたってよりは捕まったって感じだな」
笑いながらクラウスさんが答える。
やっぱり元々仲が良かったんだろうね、このふたり。




