リリーの憂さ晴らし
階段を登りテラスへと降りると王を囲むように兵士が現れた。
「それ以上寄るなら手加減しない!」
流石は近衛兵。逃げないあたりしっかりと訓練されているらしい
そうだしまった。リリー抱えてるから手を叩けないじゃないか
「まぁ待て。俺らは話をしに来ただけだ」
クラウスさんが前に出る。そういえば昔はここの兵士だったんだっけ?
「話?貴様らは死罪と決まった。何の話をする必要がある」
一人の兵士がジリジリと迫りながら剣を構える
「今の内に取り消さんかね?ヒューリー。」
この国の頂点でしょ?呼び捨てでいいの?無礼だとか言われない?
「見ないあいだにずいぶんと強くなったようだな、クラウス」
呼び捨てられた王様はゆっくりとした口調で喋り出す
「まぁアッチにはバケモンみたいなのが多かったからな。どうなんだ?今ならまだ間に合うと思うぞ?」
「取り消す?君らが彼らより強いと?」
8人いる兵士を指しながらヒューリー国王は告げる
「正確には2人が、だ」
え、こっち見ないでくださいよ恥ずかしいじゃないですか
「そうは見えんがね」
「少なくともそこの魔導師よりは上だ」
テラスの奥に杖をついた初老の老人。
「それは聞き捨てなりませんのぅ」
どことなくきらびやかな白系統のローブに三角帽の男がゆっくりと歩く
「アレは私が」
えらくやる気のリリーが優希のお姫様抱っこから降りると、影の魔法で老人をダンジョンへとご案内。もごもがと何かを言おうとしていたようだが手遅れだ
「それでは」
影に潜るリリーに声をかける
「やりすぎないでよ?」
「…気をつけます」
言わなければ壊す気だった感じかね?
「メドロムは生きて帰ってくるんだよな?」
「…」それはリリーの機嫌しだいだね
ハァ、とため息をついたクラウスさんは国王と向き合う
「とりあえずだ。今回の件でフェニールはどう関わってんだ?」
「三匹の魔人を街に招いた者がいる。そういう話だったのだ」
王様の答えに優希が首を傾げるとクラウスさんが教えてくれる
「牛、馬、鳥頭の魔物がいたろう?」
「あぁいましたねそういえば。あれって有名なんです?」
「3体でBにとどく事がある。大方、ギルドからの報告を改竄したんだろう」
「持ち込んだのは遺体だったか」
「そういうこったな。で、この判決は取り消してくれんのかい?」
「現時点を持って判決は無効だ。後で詫びを持たせる」
どことなく安心したような王様が椅子の背にもたれて深く息を吐く
「ようしこれにて一件落着!だな!」
クラウスさんは楽しそうに笑う
「まだフェニールさんをなんとかせにゃならんでしょう」
「それはヒューリーの仕事だ。俺らには関係ない。わかったらさっさとメシだメシ!」
テラスの出入口に向かったクラウスが手を触れるよりも前に扉が開かれ兵士が駆け込んできた
「申し上げます!貴族連合が反旗を…こひゅ…」
兵士の声は喉を貫いた剣により途切れることとなった




