疾風のジン2
2人がダンジョンの入口へ着くと、そこには何人かの男達がいた
「あんたらも入んのかい?」
「そのつもりだが、そちらは?」
「出待ちだ。死なずに腕試しが出来るなんてのは他じゃねぇ話だからな」
「あんたら新参だろ?なら覚えておきな。このダンジョンじゃ横槍もなければ誰かと出会うこともない。そしてひと部屋の敵は一度しか沸かない」
「つまりどれだけや休んでも、ということか?」
「今んとこ3日間最初の部屋で過ごした奴がいるが誰とも出会わんかったらしい」
「なるほど。覚えておこう」
「ま、もし深くまで潜れたらその話を聞かせてくれよ」
「深く潜れたら、な。」
「〜♪〜〜♪♪」
入口の小部屋に入り転送された先にいたのは口笛を吹きながらデッキブラシで床を掃除している黒いマントに身を包んだ男であった
「話が…違わないか?」ジンはスチュアートに話しかける
「おかしいですねぇ…どうみても人ですもんねぇ…」
「〜♪♪っん?ほアッ?!」
ひ弱そうに見える男はこちらに気付いて驚き、そして転んだ
「えっちょっ、リリーさーん?飛ばす場所まちがえてますよー!えっ?ダメじゃん!どうすんの!えっ?うん?エー…はぁ。仕方ないなぁ」
尻餅をついたまま天井に向けて話しかけていた男が立ち上がりこちらへと近づく。
「はじめまして藤堂優希です。一応はダンジョンの主をしております」
そう言って恭しく丁寧にお辞儀をしたのであった
「で、あんたを倒せば出れるのか?」ジンが優希に問いかける
「いやいや。流石に困るよそれは」
「じゃあどうしろと?」
「試合をしよう。一撃を加えた方が勝ちってのはどうだい?」
「かすり傷でもいいのか?」
「それだと早く終わりすぎるからね。降参もしくは続行不可と判断するまでやろう」
「負けたらどうなる?」
「入口へと戻すだけだよ。少しのお金を貰ってからね」
「そちらの武器はあるのか?」
剣を構えながら聞く
「もちろん」
優希は懐から愛用の刀を取り出した
「刀か…勝てばどうなるんだ?」
「その剣を魔道具にしよう。どうだい?」
「面白い」
ジンが一歩前へ踏み込む
「っとその前にそっちの君。鍵開けは得意かな?」
「あっし?まぁそれなりにはそうですけんども…」
「暇ならこれを開けておいてくれないか?鍵をなくしてしまってね」
懐から取り出した箱をスチュアートへと放る
「もし開けられたら中身を持って行ってもらって構わないから」
「そろそろいいか?」
ジリジリと近寄りながらジンが問い掛ける
「あぁ。試合を始めよう」
こうして彼らの長い戦いが始まった




