貧しい男たち3
GW現実逃避キャンペーン開催中(意訳:働きたくないでござる)
クラウスが目を閉じてからしばらくの時間が経った。しかし、彼は食べられてはいない
「どうしてあなたは目を閉じるの?」
閉じた目を開くと目の前には動きを止めたアースボアがいた
よくよく見ると動いていないかのような速度になっているだけらしい
「誰だ?」どこからともなく聞こえる声に周囲を見渡す
「どうしてあなたは起き上がらないの?」
見渡しても声の主は見えない
「どうしてあなたは戦わないの?」
「それができてりゃとっくにやってるよ」
体に未だ刺さる木を見ながら答える
「怪我がなければ戦えるの?」
「例え身体が動いても、この剣じゃあ倒しきれない」
「強い武器があれば戦えるの?」
「相手を倒せる武器があったとしても、こんだけ平らな場所じゃあ倒せねぇさ」
「足場があれば倒せるの?」
「そこまで揃えばあとは仲間が助けてくれるさ」
「彼らのことを信頼してるの?」
「そりゃそうさ。ゼク、マルク、ドリノス、ポール。あいつら以上の奴は見つからねぇよ」
「じゃあ、あなた達の実力を見せて欲しい」
「どうやって?」こんな体じゃあ何も出来ない。そう言おうとしていると世界がぴしりと音を立てる
ガラガラと目に見える世界が崩れ始め、そしてまた積み上がっていく
「なんだこりゃあ」
目の前の瓦礫の山は元の形へと戻り、腹を貫いた柱も抜けて元通りになっていく。
そしてまたぴしりと音がした時、その世界は最初に見た時と同じく元の形へと戻っていたのである
「じゃあ、頑張ってね」
そうクラウスの耳には聞こえた気がした
「あれ…ここは?」
振り返るとゼクが頭を抑えながら起き上がる所だった
見渡すと他の仲間が目を覚ましていた
「まさか」
通路の先にはアースボアがいる
「なんすかあれ!ヤバイっすよ」
声を抑えながらゼクが話すので皆気付いたらしく素早く身を隠す。そして目の前には魔力を纏った剣がある。
「ありがたく、使わせてもらう」
誰かに言うでもなく呟くと、彼は目の前の剣を掴みその手応えを味わった。
直後アースボアの敵対的咆哮が響き渡る
こうしてクラウスの二度目の戦いが幕を開けたのだ




