貧しい男たち1
終わりの街ヘイブン。そこは人類の最先端であり一攫千金を夢見る者達が集まる活気のある場所である。
しかし、すべての者にチャンスがある訳では無い。夢を追いかけてこの街へと訪れたものの、不慮の事故や技術不足により路頭に迷い裏路地を徘徊するようなもの達がいる。彼らは夢を諦められずに留まったものの、かといって町の外で活躍できるほどの実力はない。そういうものなのだ
「兄貴。南からの連絡で子連れの男が町に入ったようです」
ここにも夢に潰された男達がいた。
「おう、しっかりつけとけよ。宿街に行く前に襲うぜ」
「そのように伝えておきます」
彼らが町に長居できるのも、夢を追ってきた新人が絶えずいるからで彼らの財産を奪うことで少しでも力を蓄えようとしているのだ
「標的が路地に入りました」
「馬鹿な奴らだ。よし、三の北で囲むぞ」
「了解っす」
冒険者になろうとしながら子連れという違和感を感じながらも、やらねば自分たちが死にかねないと気合を入れ5人の男達は彼らの前に姿を表してしまったのたである
見るからに鍛えてすらいない者など剣を見せながら脅せば簡単に震え上がる。今までがそうだったのだからきっと今回も上手くいくと信じ、名乗りをあげようとする。しかし彼らは言い切るよりも早く意識を失い暗闇に飲まれたのであった
彼らが目を覚ました時、彼らの前には料理が並べられていた
「うっ…ここは?」
殆ど同時に目を覚ました男達はまず目の前に湯気立ち上る料理があり周囲には何も無いことを確認する
「食べても…いいんすかね?」
一人の男が手を伸ばす。それを兄貴と呼ばれた男が止めようとしたものの、草の根をかじっていたような者達なのだ。すぐに皆誘惑に負けガツガツと腹がいっぱいになるまで目の前の料理に食らいついた。
存分に飯を食べ終わるとようやく周囲を見渡す余裕ができ、歩き回った彼らが出口ひとつない閉じられた空間だと知るまでにはそこまで時間はかからなかった。その後、飯をたらふくたべた男達は睡魔に負け倒れるように次々に眠りに落ちていった
次に彼らが目を覚ました時、状況は一変していた
見慣れた市街地と同じ環境が出来ていたのだ。相変わらず天井と壁があることから同じ空間だということは容易に想像できる
唯一記憶と違うとすれば通りには人がおらず廃墟のように静まり返っていて、通りの奥に猪らしき姿が見えることだった
いち早く気付いた男達は物陰に隠れ武器になりそうなものを探した。するとあらかじめ用意されていたらしい武器を発見したのだが、それぞれがてにとった瞬間に猪の鳴き声がこだました
元々外で活動していた彼らには相手がどういうものか理解していて、相手が鳴くことの意味をよく理解していた
「チッ!見つかったか!」
「こっちに来ます!」
「見りゃわかる!地の利はあるんだ、やられる前に仕留めるぞっ」
久々のまともな飯でやる気を出した男達は生きる為に剣を構え走り出すのだった




