予定は未定と言いますし
それからというもの、リリー式訓練法は毎日繰り返された。
見えない敵、触れられない敵、死なない敵、ただ大きな敵、素早い敵、動きが読めない敵、仲間を呼ぶ敵など様々な敵を相手にありとあらゆる環境で戦った。
同じ外観で違う魔法を使う敵や、常に状態の変化しつつける床などなど、そこまでする必要があるのかと思えるほどの嫌がらせに近い訓練を1週間も続けたのである。ただ、1週間と言っても優希にとっては1年ほどの出来事であるのだが。
「お疲れ様です」
崩れるように倒れる優希をリリーが後ろから受け止める
「あぁ、お疲れ。今日はこれで終わりかな?」
「えぇ。私に出来ることはほぼ。」
「なんだよ。訓練が終わったみたいな言い方してさ。あと3日でしょ?」
「いいえ。予定よりずっと早く終わったんです」
「ホントに?」
「これ以上強い相手と戦うことはないでしょうから、さっきので戦闘は終わりですよ」微笑みながらリリーが教えてくれる
「そうか…終わったんだね」開放感とか感じちゃう
「はい。あと一つだけやることが残っていますが今は休んでください」
「ありがとう。少しだけ眠かったんだ」
「いいんですよ、御主人様」
まぶたを閉じた優希には、その後の事など見えていない。リリーがどんな表情で、先程まで優希が握っていた刀を振り上げたのかを。
体が浮くような浮遊感と、顔にかかる暖かな液体。ごとりと後頭部に響く軽い衝撃。それらがなんだかとても心地よくて…
優希の記憶はそこで途切れた。




